オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『幽幻道士 キョンシーズ4』

孩子王, 93min

監督:ツァイ・ヤンミン、チェン・チュンリャン 出演:リン・シャオロウ、キン・トー

概要

テンテンさんが両親を殺した悪魔と戦う話。

短評

ほとんどリブートと呼ぶべき一作と化したシリーズ第四作。少年たちは存在がなかったことにされ、テンテン“ちゃん”は序盤に少し出てくるだけである。幼女から少女へと成長したテンテン“さん”が活躍する物語となっている……のだが、ダメ親方なる吹替関西弁のキャラクターらの脇役がボケ倒すのがメインに近い構成となっており、キョンシーの存在感も非常に薄い。どうしようもなく退屈だった。

あらすじ

テンテンが生まれる前の話。悪魔に挑んだ父・青龍は逆に取り憑かれて失踪し、母・リンリンが命を落とす。リンリンのお腹の中にいたテンテンを金爺さんが法術を用いて出産させ、英才教育を施す。やがて成長したテンテンと金爺さんは、消えた父を探して旅に出る。

感想

本作のラスボスは件の悪魔なのだが、一応はキョンシーも出てくる。でなければタイトル詐欺である。今回登場するのは、“フルメタキョンシー”。金爺さんが兵士として鍛え上げた操作可能なキョンシーで、テンテン出産の混乱に乗じて盗まれてしまったのである。フルメタキョンシーを使った二人組が各地で強盗を働いているのだが、この凶悪な生物兵器を盗まれてから10年以上も放置していた金爺さんのなんと暢気なことか。被害者たちは彼の責任を問うべきである。

フルメタキョンシーの他に登場するのが、“偽キョンシー”。第一作の旅の一座を模したかのような集団が出てくるのだが、親方が“ダメ親方”と名付けられてしまうくらいにはダメな人である。胡散臭い薬売りの商売が上手くいかないので、キョンシーに扮して旅人を襲う強盗稼業に鞍替えする。ダメ親方のくどい笑いは全般的に好きになれなかったが、孤児たちからのがめつい集金方法は笑えた。偽キョンシー業をサボっている子供が喫煙しているシーンがあり、古き悪しき時代を感じさせる。

金爺さんの法術により棺の中で誕生したテンテンちゃん。この特殊な生い立ちが彼女に強力な才能を与えている。彼女が「イカヅチよ、力を与えよ~!」と空に両手を掲げると、稲妻が彼女に降り注ぐ。でんきタイプである。孤児たちを軽く一捻りし(「ダイエットしてくる」の台詞が笑える)、金爺さんを戦力的に上回る彼女の姿は新鮮だった。しかし、フルメタキョンシーや悪魔に憑かれた父の集うホテルの方が物語の中心となっているためか、キョンシーと同じく彼女の存在感も薄かったように思う。演者は彼女よりもホテルの女主人の方が美人だった。

法術の能力が強化されているため、戦闘シーンの演出がどんどん派手になっているような気がする。一方で、その派手な演出がチープと同義となっており、カンフーと法術を駆使してキョンシーに立ち向かうという楽しみは薄れているようにも思う。ビームを出して敵を燃やすのというは何か違う。また、前作に引き続いてラスボスがキョンシーではないというのも、シリーズを続ける上で発展させる方向性を間違っているのではないかと思う。これではもはやキョンシー映画とは言い難い。

幽幻道士 キョンシーズ4

幽幻道士 キョンシーズ4

  • メディア: Prime Video