オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『スブフェラトゥ』

Suberatu, 87min

監督:パトリック・ペンタ 出演:マイク・ドゥーリー、マーティン・G・クロース

★★

概要

難破した船の乗員がヴァンパイアのいるUボートに救助される話。

短評

「史上最高のコメディ‐ヴァンパイア‐サブマリン‐タイムトラベル‐ホラー映画」と紹介されている、プライムビデオで配信されている謎の映画。紹介文の通りの内容としか言いようがないのだが、笑えないし、ヴァンパイアは全く活躍しないし、怖くもない。潜水艦とタイムトラベルの要素はかろうじてあったと言えるだろうか。“ユルいノリ”という言葉では擁護できない退屈さだったが、(期待のハードルの低さ故に)観ていられない程ではなかった。タイトルは「サブマリン」と「ノスフェラトゥ」を組み合わせたのだろうが、「サブ」ではなくて「スブ」なのはドイツ語読みなのか。それとも劇中の字幕と同じく自動翻訳の都合なのか。

あらすじ

マイアミからプエルトリコへと向かう船がバミューダトライアングルで難破した。マクラウド船長やスカーレット(クレア・ウェバー)らの乗員5人は近くにいた潜水艦に救助されるのだが、なんとその艦は1945年からタイムトラベルしてきたドイツ軍のUボートだった。ドイツ兵は総統の死を知って降伏するつもりらしいので、マクラウドたちは事を荒立てぬようタイムトラベルの事は告げず、海軍として振る舞うことに。しかし、艦の中には恐ろしきヴァンパイアがいたのである。

感想

基本はコメディである。一応はヴァンパイアも出てくるが、ホラー・コメディと呼べる程のホラー要素はない。第二次大戦時のドイツ兵と現代のアメリカ人のギャップを笑う構図なのだとは思うが、どちらかと言えば阿呆に描かれたドイツ兵で笑わせようとしている感じだった(「~しようとしている」ということは、つまり笑えないということである)。艦内のテーブルに各種の“ジャガイモ”(未調理)が並ぶ様子だけは好きだった。

タイムトラベル要素は、「バミューダトライアングルで何かが起きた」というだけのもの。マクラウドたちが過去に飛んだのか、それともドイツ兵たちが現代へ飛んだのかで逡巡したりと、その後の展開に影響を与えそうな場面がいくつか見られるものの、特に何が起こるでもなかった。

潜水艦要素は、ちゃんと潜水艦らしいセットだった。長ったらしい説明文の中では唯一そのジャンルを名乗ることが許される要素と言えるだろう。逆にこの低予算映画には相応しくないクオリティである。外部の全体像は記録映像等が用いられており、それがタイムトラベル面でのミスリードと言えなくもないが、上述の通り特に意味はない。最後にニューヨーク湾に沈んだ艦から脱出すべく魚雷発射管を利用するのだが、人間が中に入った後の描写が皆無な辺りに予算的限界を感じた。

最初からその存在を臭わせ、本作の核心とも呼ぶべき存在なのかと思いきや、期待を遥かに下回る活躍しか見せないヴァンパイア。まさかここまで酷いとは思わなかった。この拍子抜け感は逆に笑えるレベルである。遂に現れたかと思ったら、マクラウドが持っていたCBDオイルを振り掛けただけで撃退という圧倒的ショボさである。これはガチでやってるの……?色々とジャンルミックスを図っているが、結局何がしたいのか分からない映画に終わっている。

ヴァンパイアを演じたチェルシー・トールがマクラウドの恋人役を兼任しており、二人のレストラン・デートの回想シーンがある。なお、マクラウドの閉所恐怖症を表現するためにレストランには窓がないのだが、明らかに艦内のセットを流用している。レストランのシーンくらいどこでも撮れただろうに……。この無駄に立派なセットを使いたいだけの一作だったのだろうか。

スブフェラトゥ

スブフェラトゥ

  • 発売日: 2020/06/06
  • メディア: Prime Video