オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『シャークトパスVSプテラクーダ』

Sharktopus vs. Pteracuda, 88min

監督:ケヴィン・オニール 出演:ロバート・キャラダイン、ケイティ・サヴォイ

★★

概要

タコ足のサメと泳ぐ翼竜が戦う話。

短評

映画の開幕直後に何の説明もなくサメの頭にタコの足が生えた怪物が登場して人を襲い、これまた唐突に爆殺される。一体何事なのかと戸惑ったが、どうやら本作は『シャークトパス』という単独作品の続編とのことで、その存在は所与のものなのであった。サメとタコが合体しているという衝撃のアイディア通りに阿呆路線を邁進するタイプのサメ映画ではあるのだが、CGのクオリティが(決して高くはないが)酷いと貶す程ではないし、低予算映画にありがちな“ピョンと飛んでパクッ”ではなくしっかりと描き切っている点にも好感が持てる。意外な拾い物である。ヒロインも美人だった。

あらすじ

サイムス博士の開発した生物兵器プテラクーダ”がハッキングされて暴走を始める。人間の手では止められないプテラクーダに困る博士だったが、破壊されたはずの“シャークトパス”が存在するというニュースを見て一計を案じる。そのシャークトパスは、爆殺された前世代シャークトパスの卵を偶然に見つけた生物学者ロレーナ(ケイティ・サヴォイ)が水族館で飼育していたものだった。

感想

シャークトパスは、その名の通りサメとタコのハイブリッド。噛み付き以外にタコ足による串刺し攻撃が可能な上、陸上を這いずり回って動くこともできる。対するプテラクーダは、プテラノドンとバラクーダのハイブリッド。正確にはプテロダクティルス(劇中ではテロダクティル)の遺伝子を利用しているそうだが、三十郎氏には違いが分からない。バラクーダはカマス科の魚である。こちらは“泳げる翼竜”ということになるが、シャークトパスの独創的過ぎるビジュアルとは異なり、尾ビレやカラーリング以外はほぼプテラノドンだった(能力面も)。

プテラクーダをハックした男が原発を狙い(劇中ではフクシマの呼称。原発事故の固有名詞としてチェルノブイリを上回ったらしい)、サイムスがシャークトパスに制御ユニットを取り付けて捕獲しようとする。しかし、交戦時にユニットが外れて、両者が人間を襲ったり戦ったりしている内に、なんとか爆殺の用意が整うという話である。ストーリーに褒めるべき点はない。

設定は不真面目極まりないが、描写は意外にも真面目である。「真面目」という言葉の使用はフザケ倒している本作に対する侮辱に当たるような気がするため、「誠実」という言葉が相応しいだろうか。バカ映画であることから決して逃げない。最大の見所であるシャークトパスプテラクーダの両雄ががっぷり四つで戦うシーンがしっかりと描かれており(空中に持ち上げられたシャークトパスがタコ足で反撃する描写が好き)、両雄共によく動く。映像の使い回しもない。バカ映画としては高クオリティだと言わざるを得ない。

また、人間を襲うシーンに手抜きがないのも良い。犠牲者が口の中に吸い込まれて終わりではなく、ちゃんと身体の一部を噛み切られて血が噴出している。特に面白かったのは、ビーチで秘書にセクハラするTV司会者の頭が噛み切られた後に放り投げられるもの。彼の生首が向かった先にはビーチバレーを楽しむ男たちがいて、レシーブ、トス、スマッシュが見事に決まる。ロレーナの恋人リックが「イメケンは死なない(I'm too handsome to die.)」と死亡フラグをビンビンに立てて華麗に死亡したり(彼も頭を噛み切られるし、他の場面でもやたらと頭ばかりが狙われる)、CAが「当機は安全です」とアナウンスしながら飛行機が墜落したりと、笑いの面でも善戦していた。

プテラクーダが通過する際の風圧を表現するために無人のベンチをひっくり返してみたり、プテラノドンの末裔に見えるような鳥を映してみたりと、細かい箇所にもこだわりが感じられる。

一作目から順にしっかり観ておけばよかったと後悔はしないが、一作目も観てみたくなった。『シャークトパスVS狼鯨』なる三作目まで制作されているそうである。お金を払って観る気は毛頭ないため、是非とも無料配信してほしい。なお、一作目は『死神ジョーズ・戦慄の血しぶき(Shark - Rosso nell'oceano/Monster Shark)』という1984年のイタリア映画のリメイクらしく、こちらも気になる。

シャークトパス VS プテラクーダ(字幕版)

シャークトパス VS プテラクーダ(字幕版)

  • 発売日: 2016/07/13
  • メディア: Prime Video