オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『クロコダイル2』

Crocodile 2: Death Swamp(Crocodile 2: Death Roll), 93min

監督:ゲイリー・ジョーンズ 出演: ハイジ・ノエル・レンハート、チャック・ウォルツァック

★★

概要

墜落した飛行機の生存者がワニに襲われる話。

短評

レプティリア』の続編である。従って、タイトルに「2」とあれば無条件に「1」から観たくなる三十郎氏のような人物が『クロコダイル1』を探して観ようとすると、同作と同じ2000年制作のワニ映画『クロコダイル(Blood Surf)』に行き着くかもしれないという罠が待っている。もっとも“ワニが出てくる”という点以外に前作とは何の繋がりもなく、物語の面で続編であることを意識する瞬間は一度もない。前作に比べるとCGのクオリティが格段に向上しているが、B級パニック映画のクオリティであることに変わりはない。CG以上に話のバカバカしさのレベルが上っていた印象である。

あらすじ

アナハイムからアカプルコへ向けて飛び立った一機の飛行機。暴風域の接近により管制から空港へと引き返すように指示が出るも、機内にいた銀行強盗にハイジャックされ、沼地へと墜落してしまう。墜落を生き延びた強盗たちは、乗客に金の詰まった荷物を運ばせて移動しようとするが、機長を襲ったワニを射殺し、その親ワニの執拗な追跡と襲撃を受けることとなる。

感想

冒頭の強盗シーンでは金庫があまりにもあっさりと開くし、強盗たちはノーチェックで機内に銃を持ち込んでいるし、コックピットの扉には鍵が掛かっていないし、爆発を起こすような墜落事故なのにほぼ無傷の生存者が割といる(ほぼ無傷か死亡のどちらか)。また、最初のワニを殺す時に無駄弾を撃ち過ぎていて、弾切れして脅しに使えなくなるのではないかと不安になる。それらの間抜けな描写よりも大きなツッコミどころは、強盗のボス格(後で仲間から「ボス面するなよ」と文句を言われる)マックスのTシャツが事故で破れて乳首が見えていることである。お前じゃないだろ!

前作が比較的真面目かつ淡々とワニの襲撃を描いていたのに対して、本作は紛うことなきバカ映画だと分かる(とは言え、ワニの描写はサメ映画に比べると格段に真面目)。しかし、ワニのクオリティについては明らかな向上が見られ、あのトビー・フーパーがゲイリー・ジョーンズなる無名監督よりも少ない予算しかもらえないのかと寂しくなった。されども、IMDbを確認してみると、推定予算が前作の280万ドルに対して本作は220万ドルである。なんて安上がり!CGについては前作からの二年間で安価かつ高品質に仕上げられるような技術革新があったのだろうか。本作には派手な爆発シーンなんかもあったりして、「これはきっとトビー・フーパーの功績により予算の追加があったのだ」なんて思っていたら、大きな間違いなのであった。

本作の主人公はCAのミア(ハイジ・ノエル・レンハート)であり、事故のニュースを見た彼女の恋人ザックがバーで出会った酔っ払いローランドと共に捜索に来る。この酔っ払いが凄腕で、二人は特に苦労することもなく一行を発見するのであった。一体正規の捜索隊は何をしているのだろうか。特に苦労していないので再会シーンが盛り上がることはなく、その後も変わらず一人ずつワニに食われていくという展開である。

ワニの捕食についてはそこそこグロく仕上がっていた。ここも三十郎氏が「予算を掛けたのだろう」と間違った感想を抱いたポイントの一つである。一方で、デスロールは回転速度も回転数も過剰で、完全にギャグになっていた。食われる阿呆たちの中で気に入ったのは、墜落後に「損害賠償で大儲けできる!」と喜んでいた弁護士が小屋への避難時に窓から乗り出して「俺の靴はワニ革だぜ!」とワニを煽り、ジャンプしたワニの餌食となるもの。B級映画らしいやられ役である。

なんだかんだで大半の人間が(事故と)ワニの犠牲となり、残るは四人。凄腕ローランドがミアとザックを裏切ったと見せかけてマックスを射殺するも、彼はヘリごとワニに沼へと引きずり込まれて爆死する。そのお返しとばかりにミアとザックは沼から湧くメタンとボートの燃料でワニを爆殺するのであった(自分への危険もワニより大きいだろうに)。自分たち以外の全員が死亡したにも関わらず、愛する二人が幸せなキスをして幕が下りる……と思いきや、ミアがワニのトラウマ持ちになっているという無意味なエピローグがついている。どうせバカ映画なのだから強引なハッピーエンドでも良かったのに。

クロコダイル2(字幕版)

クロコダイル2(字幕版)

  • 発売日: 2020/04/24
  • メディア: Prime Video