オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『Knock Knock-ノック・ノック-』

Knock Knock, 89min

監督:ジョセフ・アリオラ 出演:キム・タガート、アントニオ・マストラントニオ

★★

概要

高校生連続殺人事件。

短評

イーライ・ロスの『ノック・ノック(2015)』よりも先の2007年に制作されたホラー映画。同作が本作のリメイクというわけではなく、全く無関係のはずだが、同作のタイトル詐欺的需要を狙って日本に輸入されたという事情がありそうな気はする。基本的にはダメなところしかなく、目を開けたまま観ているのが辛い内容だった。「分かっているけど釣られてみよう」の精神は持たない方がいい。しかし、グロ描写だけはやけに気合が入っていたり、犯人の過去の因縁のアイディア自体は悪くなかったので、脚本と演出次第ではレトロなB級ホラー映画に仕上がったのではないかとも思う。

あらすじ

アメリカのとある田舎町。一人の女子高生殺害を皮切りに、主にアメフト部の関係者たちが狙われる高校生連続殺人事件が発生する。犯人は被害者を残虐な手法で殺害し、死体の側には「ノック・ノック」と書き残されていた。

感想

脈略のないグロとエロが続くだけの話である。レザーフェイス風のマスクを被った殺人鬼がただただ高校生たちを殺していく。最後に被害者の繋がりが説明されて一応は納得できるような話になっているので、殺害の時点で彼らの属性をもっと強調しておく演出があってもよかったのではないかと思う。納得と言っても言葉で説明された内容が腑に落ちるだけで、話が上手く繋がったようには感じられない。

殺害の描写はかなり気合が入っている。死体を扉にアイスピックで磔にしてみたり、バーナーで腹を炙ってみたり、脚をノコギリで切断してみたり、腹を割いて解体してみたり、頭と腕を切り飛ばしてみたり。出演者たちの絶望的に下手な演技と80年代映画みたいな画質から特殊メイクに掛けられる予算なんてないのかと思って期待しなかったが、この点だけは評価できる基準に達していた。

謎のサービスシーンが多めである。被害者のシンディ(ミスティー・ミーラー)はシャワーを浴びた直後に殺害されるため、脱衣からシャワーを浴びるところまではじっくりとおっぱいを拝める。身体を洗うシーンがしっかりと収められているのは珍しい気がする。彼女の姉(?)トニー(Erika Othen)が公然わいせつ罪スレスレの服装で妹の恋人ビリーを誘惑するシーンがあったりと、なかなかの桃色姉妹だった。

もう一人の桃色要員が事件を捜査するビリー・ヴェガ刑事(キム・タガート)。先程のビリーと同名で紛らわしいが女性である(どうして何の意味のないのに同じ名前のキャラクターを二人出してしまうのか)。彼女は登場時に鮮烈な透けブラを披露しており、トニー以上に公然わいせつ罪スレスレだった。強気な割に捜査を一向に進められない彼女は、身なりを整えて引退済みの老刑事マイクにアドバイスを乞う。彼の答えは「美貌を仕事に活かせ」というもので、ボタンを一つ開けて臨んだ尋問が奏功したのかは不明だが、用務員が全てを告白して真相が判明するのだった。

彼女の捜査が実って事件が解決したということになっているものの(死んだはずの犯人が消えたのでしていない。続編の構想でもあったのか)、外見がキモくて頭が弱いという理由で怪しいからと逮捕され、暴行を含む取り調べを受けた用務員は気の毒だった。