オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ゲットバック』

Stolen, 95min

監督:サイモン・ウェスト 出演:ニコラス・ケイジジョシュ・ルーカス

★★★

概要

出所した強盗の娘が元仲間に誘拐される話。

短評

コン・エアー』の監督・主演コンビによるアクション・クライム・スリラー。あらゆる描写がテンプレ通りで、これと言った見所はなく、きっと数日後にはタイトルと内容が一致しなくなる一作である。しかし、これと言って貶すようなところもなく、最近のニコラス・ケイジ主演B級映画としてはそつなくまとまっていた印象で、最低限抑えるべき点は抑えられていた。ニコラス・ケイジが凄腕のヒーローを演じるダメなタイプのB級映画ではあるが、目的が分かりやすくてテンポの良いストーリーに、そこそこな迫力のカーチェイスがあり、金庫破りのシークエンスも手際が良くて好きである。

あらすじ

四人組の強盗──ウィル(ニコラス・ケイジ)、ヴィンセント、ライリー(マリン・アッカーマン)、ホルト。銀行の金庫を破って1000万ドルを強奪するも、目撃者を始末するか否かでウィルとヴィンセントが揉め、逃げ遅れたウィルは逮捕されてしまう。八年後、出所したウィルにヴィンセントから連絡があり、ウィルの娘アリソン(サミ・ゲイル)を人質に八年前の分け前を要求してくる。しかし、件の金は刑を軽くするため逮捕前に焼却処分してしまっていた。

感想

ウィルを逮捕し、出所後も隠した1000万ドルを彼が回収するのではないかと睨む刑事のハーランド(帽子がオシャレで格好いいが、コーヒーの砂糖くらいは自分で入れるべき)。娘に会えずに過ごした八年間で真人間へと生まれ変わったウィルは、「娘が誘拐された。1000万ドルは燃やしてなくなっちゃったから助けてくれ」と彼に助けを乞うものの、ヴィンセントは公的には死亡したことになっている。従って、警察の目を欺いて1000万ドルを回収するものと疑われ、ウィルは警察から逃げつつ娘を探し出すというミッション達成を求められる。

ヴィンセントはタクシー運転手になっており、アリソンをトランクに詰め込んで移動している。途中で客が無理やり乗ってきたり、警察に止められてピンチになるシーンがあるので、「常に移動して無駄なリスクを負う必要はないのでは……?」と思ったが、ホルトの裏切りによって居場所がバレることを懸念したというのが理由らしい。それならホルトに居場所を教えなければよいだけなので……?また、タクシーの運営会社経由で居場所を突き止められる展開を予期して偽装しているが、そんな面倒なことをせずとも、アリソンを監禁してタクシーは放置するだけで同じ撹乱効果を得られるのに。トランクを防音加工するという発想は珍しく、暗闇で光る星をバラ撒くという謎の配慮が微笑ましかった。

お金もないし、アリソンも見つからないしで、ウィルは「悪の道に戻るぜ!」と強盗稼業復帰により身代金を作ることを決める。ここで破る金庫が冒頭で一度破られた銀行のもので、前回は「重くて運べないから」という理由で置き去りにした金塊を盗み出すのである。金庫の下側から穴を開け、バーナーで金塊を融かして回収するという手法は面白かったが、それができるのなら八年前にしておけば……。それに、金庫の床や壁というのは、少々のことでは穴を開けられないように極厚になっていないのだろうか。銀行は一度破られたのに対策を強化しないのだろうか。ところで、給付金で株を買おうかと思ったら二番底が一向にやって来ない。中央銀行通貨供給量を増やして株価が維持されているのなら、金を買うのがリスクヘッジに向いているのだろうか。

“おっぱい祭り”として有名なニューオーリンズマルディグラが舞台となっているが、残念ながらおっぱいを放り出す女性は出てこない(以前も同じことを書いたと思ったら、同じくケイジ主演作の『ハングリー・ラビット』だった)。ウィルが仮面を利用して警察から逃げるのと、「この町の女って超尻軽だよね」と地元をバカにした客をヴィンセントがボコる描写があるくらいである。おっぱい見せろよ。

ゲットバック (字幕版)

ゲットバック (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video