オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『スキャンダル』

Scandalo, 98min

監督:サルヴァトーレ・サンペリ 出演:リザ・ガストーニ、フランコ・ネロ

★★★

概要

薬局の雑用係が陰茎の力で女主人を屈服させる話。

短評

ヒッチハイク』の寝取られ夫だったフランコ・ネロが、勤務先の女主人を寝取る話である。『スキャンダル』というタイトルの映画は数多く存在するものの、本作は『青い体験』のサンペリ監督がコメディを排して撮った桃色映画である。本来は女の方が強い立場にあるはずなのに、彼女が文句を言えない状況を男が作り上げ、そこに元からあった女の性への渇望が加わり、様々な感情が渾然一体となった“服従の悦び”が完成する。

あらすじ

薬局の雑用係として働くアルマン(フランコ・ネロ)。閉店後に既婚の同僚ジュリエット(アンドレア・フェレオル)と交わろうとしたところ、暗闇で勘違いし、女主人のエリアーヌ(リザ・ガストーニ)に手を出してしまう。勘違いに気付いたアルマンは、彼女が嫌がっていないことを見抜いて関係を強要する。初めは抵抗を見せたエリアーヌだったが、やがてアルマンの虜となっていく。

感想

アルマンがエリアーヌに口淫を強要した直後に読書会へと場面が飛び、会では『赤と黒』について話し合われている。そこでは「拒まなければ脅しではない」という内容が議論されており(『赤と黒』って不倫の話だったのか)、出席者であるエリアーヌは、自分が“拒んでいなかった”ことを認識する。あとは真っ逆さまに堕ちていくだけである。

営業中に股間を触らせたかと思えば、客が来ているのにカウンターの下に隠れて交わり(客が万引してた)、夫への電話中に身体をまさぐられ、エリアーヌの自宅で交わり、エリアーヌの娘ジュスティーヌ( クラウディア・マルサーニ)の前でセクハラされる。アルマンがジュリエットと交わっているのを目撃してショックを受けるも、それに気付いた彼の求めるがままに服を脱ぐ始末。夫との関係が冷え切っていたこともあり、完全に「ちんぽには勝てなかったよ……」という即堕ち2コマ状態となっている。

アルマンにされるがままだったエリアーヌが変化を見せるのは、店の前での露出プレイを求められて成功させた時である。そこで彼女は吹っ切れたかのように“服従の悦び”を確信する。また、エリアーヌは、自分に抗えない者にばかり強い態度に出るアルマンの臆病さを見抜く。ここで二人のパワーバランスが逆転するような展開があれば面白かったのだが、一度股間の疼きを悦びに変える方法を知ってしまった熟女は、臆病な男に抗うことも出来ない。

エリアーヌからアルマンへの肉体的欲求がエスカレートしていく一方で、アルマンの方は彼をこき使ってきたエリアーヌらへの復讐とばかりに娘ジュスティーヌを差し出すように求めはじめる。一方のエリアーヌは娘に嫉妬するという色欲の奴隷である。エリアーヌの夫アンリはと言えば、妻と娘が痴情のもつれで言い争っているのが聞こえないようにレコードの音量を上げるという酷いヘタレであった。全てを告白し、その上で「あなたは何もできない」と告げるエリアーヌの認識通りの夫である。だから彼女はアルマンに走ったのだろう。

本作で描かれる痴情のもつれは、全て戦火が迫る中での出来事である。近隣住民が避難している一方で、エリアーヌはジュスティーヌをアルマンに捧げ、自らは大量の薬を飲む。彼女と夫は穏やかにベッドに横たわり、行為を終えたアルマンとジュスティーヌもベッドで寄り添っている。カメラが家を抜けて外へと出ると、道には犬と酔っ払い、そして家を焼かんとする炎が。この異様なラストショットが印象的なのだが、……どういうこと?

Gyao!で配信されているバージョンは98分なのだが、107分のバージョンもあるようなので、どうやら短縮版らしい。きっと桃色描写が削られているのではないかと思うが、40才を超えたリザ・ガストーニの裸体を見せられてもそれほど嬉しくはないので、口惜しい気はしない。しかし、アルマンが「まだ捨てたもんじゃない」と高評価を下している通りに、年齢を考慮すれば垂れ下がりの少ない身体をしており、脱いでも全く恥ずかしくない程には健闘していると思った。

スキャンダル [DVD]

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  • 発売日: 2014/10/10
  • メディア: DVD