オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『サークル』

The Circle, 93min

監督:ピーター・キャロウ 出演:エドワード・ベイカー=ドゥリー、セセリア・オラフス

★★

概要

遺跡を調査したら悪魔が出てくる話。

短評

プライムビデオで配信されている謎のイギリス映画。検索しても情報は見つからないし、当たりと言えるような作品に出会うこともほぼないのだが、たまに気になって観てしまう。どこから見つけてくるのだろう。本作も映像表現は自主制作映画的な拙さだし、特に見所もないのだが、雰囲気だけはそれなりに良かったと思う(ロケーションの力だろう)。遺跡調査と北欧神話的な話が繋がる辺りは面白かったが、一応納得のいく結末にしたことで、逆にそれまでの話の大部分を放り投げてしまうという展開だった。

あらすじ

カール・マークソン教授の考古学の授業でフィールドワークが開催される。参加者は、優等生のメロディ(セセリア・オラフス)、セクシーブロンドJDのクレア(エヴァ・マリー・クン)、クレアに盛るジョー、そして集団行動中も一人音楽を聞く陰キャのアーチーの四人である。五人は北スコットランドラム島へと向かい、遺跡を発見する。

感想

予約していたチャーター船が見つからず、地元の怪しげな漁師(?)の船に乗せてもらうことに(この時点で怪しさ満点である)。島に辿り着くも地形が地図と異なっており、これは明らかに別の島に連れてこられてしまったわけだが、教授は謎の遺跡を発見して「凄いぞ!」と喜んでいる(引率者なのにしっかりしてほしい)。遺跡には北欧神話的な文言が記されており、その内容通りに悪魔バズリアとブラックライトを持った魔女が現れるというホラー展開である。

バズリアの外見は地底人的な怪物で、こいつの登場によりいかにもなB級ホラー映画といった流れに。ここは全く面白くない。太陽光が苦手なのでブラックライトで撃退できるという弱点が笑えるくらいである。バズリアとB級ホラー映画的にドタバタやっていると(ここで遺跡の文言が回収されるのは良い)、実は……という結末が待っている。教授が身体を痛め、ジョーが背中を怪我し、アーチーの脚が痙攣するという伏線が回収されて納得するのだが、「じゃあ遺跡と悪魔の話はなんだったの?」という置いてきぼり感が残る。

考古学大好き女子大生メロディが生死の境で見た幻想だったとしても(彼女が遺跡の文言を解読し、その通りの展開となるとなる都合の良さ)、彼女が異次元に迷い込んだとしても、既に死んでしまった仲間たちが夢か異次元でも全員死ねば脱出できるという条件が少々滑稽である。悪魔が意味ありげに登場してジタバタするものの、メロディは他が死ぬのを待っているだけでよかったわけか。解読された文言も脱出の役には立っていなかったわけだし。

ジョーがクレアにちょっかいかけまくりである。その姿は“口説く”というよりもストーカーに近く、陰キャのアーチーよりも気持ち悪いのだが、二人は元恋人のようである。ところがクレアは教授と付き合っていて、朝からテントで盛っているところをジョーが目撃してしまう(勝手に開けるなよ。教授も学生のいる前で盛るなよ)。“元”恋人のくせに「俺の彼女に手を出しやがって!」と怒るジョー。教授に恋心を抱いていたのでショックを受けるメロディ。痴話喧嘩の花が咲く。アーチーだけが蚊帳の外で気の毒だった。本作に必要なキャラクターだったのかも最後まで分からず、二重に気の毒だった。

サークル

サークル

  • 発売日: 2020/04/26
  • メディア: Prime Video