オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『霊幻道士Q 大蛇道士の出現!』

新殭屍先生2(Meet Mr. Vampire、Mr.Zombie2), 91min

監督:リッキー・リュウ 出演:チン・シュウホウ、ホン・ユエン

概要

ハオ道士vs大蛇道士。

短評

キョンシーの活躍に乏しいキョンシー映画。ユルいコメディある。キョンシーとの戦いよりも道士の対決がメインなのは『幽幻道士3』と同じなのだが、本作の場合、道士の対決よりも中年男女による中学生レベルの恋の駆け引きを含む寸劇の方がメインだった。子供の話だとギリギリ許せるラインだが、おっさんたちにされるとスベっているだけで辛い。肝心のキョンシーも敵道士に操られているという設定のため、戦う時の動きがピョンピョンではなくゾンビだった。

あらすじ

阿呆な二人の弟子、チュウサムとモンチョイを抱えるハオ道士。年増のロンと露出過多のティエン(曾錡蓮/ツォン・ユーリエン)の二人の客人を迎えた夜、死体安置所に異変が起こる。その場を収めたハオ道士だったが、キョンシーたちを連れ出した道長が何者かの襲撃に遭って殺されてしまう。暗殺に用いられた毒矢を見たロンは、かつて自身が師匠と対峙した大蛇道士の仕業だと見破る。

感想

弟子二人から「年増」と呼ばれるロンは、彼女がシャムへ修行に出る前からのハオ道士の想い人である。ロンのモテエピソードを聞かされたハオが、嫉妬してやきもきする。中年がやると「微笑ましい」では済まされない、虚しさすら覚える寸劇である。中年童貞かよ。ロンの方もハオに嫉妬させるためにわざとやっていたというしょうもなさで、弟子たちの目の前で「ベッドに行くわよ」と宣告し、ハオを連れ去るという衝撃展開だった。中年女性の性欲は凄い(「人参茶よ。精がつくわ」とハオに勧める場面も)。翌朝、ハオの首には大量のキスマークがついており、見たくないものを見せられた気分になった。

その後も「お前らはどうでもいいからキョンシーを見せろよ」という三十郎氏の期待には応えてくれず、二人の大蛇道士との戦いがメインとなる。その内の一つは定番の遠隔バトルで、古い作品と比べればCGのクオリティは上がっているのに強烈なチープ感があった。そもそも「大蛇道士」とは名ばかりで、全く“蛇”要素がない。ラスボスも“鬼”みたいである。冒頭に登場する美人妖怪がメデューサ的な真の姿を表した時の方がよっぽど“蛇”だったのだが、もしかしてここから無理やり邦題と字幕を取っただけだったりするのか。

大蛇道士に操られた道長が警察署で暴れるシーン。署長の服がビリビリと破れて、ちっとも見たくない彼の乳首が開示される。なんで?どうして?もっとも破れやすそうなスケスケ素材の服を着ている若い女性がいるではないか。(男性)観客にサービスしろよ。キョンシーを出し渋ったのだから、せめてそれくらいはですね……。おっさんの乳首と中年女性のお盛んぶりを見せて何をしたいのか。こんなの監督だって撮っていてつまらないだろう。なお、二人の阿呆な弟子とティエンのラブコメパートも特に笑える場面はなかった。

「Q」とナンバリングされているが、トランプ的に「12」ではなく、「キュー」と読んでの九作目らしい。原題が『新殭屍先生2』となっていることからも分かる通り、『霊幻道士7(新殭屍先生)』の続編のようである。この間に台湾映画の『霊幻道士 ザ・ムービー 空飛ぶドラキュラ・リターンズ』と『霊幻道士 こちらキョンシー退治局』が製作されているようだが、本作の主演チン・シュウホウが出演している後者が正式な八作目なのか。『霊幻道士』シリーズと言っても、五作目以降の原題はナンバリングされていないため、日本のタイトル詐欺業者が勝手にシリーズ扱いしているだけかもしれない。

果たして、この時代の中国にゴールデンレトリーバーはいたのだろうか。

霊幻道士Q 大蛇道士の出現!(字幕版)

霊幻道士Q 大蛇道士の出現!(字幕版)

  • 発売日: 2019/02/02
  • メディア: Prime Video