オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『銀行を爆破せよ!』

Faites sauter la banque!(Let's Rob the Bank), 88min

監督:ジャン・ジロー 出演:ルイ・ド・フュネスジャン=ピエール・マリエール

★★★

概要

投資の損失を銀行強盗で取り返そうとする話。

短評

フランス製のドタバタコメディ。フランス映画も「オシャレ」と「難解」だけが売りではないらしい。三十郎氏は今回初めてその存在を知り、本作も日本では劇場公開・パッケージ版のリリース共になかったようだが、主演のルイ・ド・フュネスはフランスを代表する喜劇役者だそうである。一家五人総出の強盗計画に次から次へと問題が降り掛かってきて、その度にコメディ映画らしくなんだかんだで解決していく。単純に楽しい一作だった。プライムビデオにはフュネス主演作が他に二本あるようなので観てみようと思う。

あらすじ

「半年でニ倍なりますよ」という銀行家マルイユの甘い言葉に騙されて鉱山に投資し、全財産を失った商店主のビクトル(ルイ・ド・フュネス)。神父の「悪意をもって盗まれたのなら、取り返して悪行に気付かせよ」という説教を聞き、銀行に強盗に入ることを決める。奇しくもビクトルの店は銀行の向かい。強盗界隈に詳しい次女コリーヌ(カトリーヌ・ドモンジョ)のアドバイスを受けて、地下室からトンネルを掘る。

感想

一家の父ビクトル。妻エリエーヌ(イヴォンヌ・クレシュ)。ジャンヌ・モロー派の長男ジェラールに、長女イザベル(アンヌ・ドア)と次女コリーヌ。五人家族である。いきなり「やるぞ!銀行強盗だ!」と言い出す父に反対しないあたり、かなり豪胆な一家と言える。次女は銀行地下の見取り図を描き出し、長女は行員フィリップと仲良くなって警備体制を調べる。そして、父と息子の二人がトンネル堀りの主要な実行犯である。母の存在感は薄い。

採掘中にトンネルが崩れ、水道管を掘って水が噴出し、配達されてきた2トンの石炭の生き埋めとなり、目測を誤って地下鉄の線路に到達する(この時の表情!)。水だけでなくトラブルも噴出しているわけだが、極めつけは、父を残して一家が叔母の葬儀に出掛けた時に、警察から地下室に家族の死体を埋めているのではないかと疑われるシーンだろう。ちょうど家族が帰宅して事なきを得るわけだが、このように彼らの“あの手この手”の解決策は、決して見事なものではなく、泥臭くご都合主義的だった。その辺りに犯罪映画とは一線を画したコメディ映画という印象を受ける。

華麗な強盗計画とは言えない一家の犯行につくオチが見事である。イザベルがフィリップと恋に落ちてトンネルの存在が露見する展開は、イザベルが阿呆過ぎて引くレベルなのだが、「一家の一員になるなら協力しろ」と機転を利かせる強引さが凄い。更に、トンネル埋め立て用ダイナマイトが不発で逮捕される覚悟を決めるも、盗み出した金塊が鉛製で、その露見を恐れたマルイユが逆に「銀行強盗なんてなかった」と言い出す皮肉な展開は秀逸である。イザベルの無能ぶりにツッコんでいる暇もないくらいのスピード感だった。

トンネルは大人が立って歩ける高さだったが、これは作業量的にも掘り出した土の処理的にも非効率なのではないかと思う。土は夜間に持ち出して街の工事現場に廃棄していたが(工事業者は掘った場所をまた掘ることになる)、とてもじゃないが追いつかないだろう。

ビクトルの店は、釣具と狩猟用品を扱っている。どういう組み合わせなのかと思ったが、いわゆるアウトドアショップなのか。

プライムビデオの字幕には中国で用いられる漢字(繁体字なのか簡体字なのか分からないがアレ)が使用されているが、普通に読めたし、意味の通らない自動翻訳ではなかった。自動翻訳の精度が上がっているのか。それとも中国の担当者の腕が良いのか。

銀行を爆破せよ!

銀行を爆破せよ!

  • メディア: Prime Video