オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『幽幻道士 キョンシーズ3』

幽幻道士, 93min

監督:シュ・イェンウェン 出演:リュウ・ツーイー、キン・トー

★★

概要

金爺さんがゲジ眉道士に誘拐される話。

短評

幽幻道士』シリーズ第三作。キョンシーは相変わらずピョンピョンしているが、キョンシーよりも道士が目立った一作である。そのため、カンフーバトルは他作品以上に見応えのあるものとなっている。少々変化球的ではあったが、詰め込み過ぎなのか間延びしているのかよく分からないストーリーが上手くまとまっておらず、あまり集中できなかった。

あらすじ

スイカ頭の爆死にショックを受けた金爺さんは、彼をキョンシーとして復活(?)させて旅に出る。道中で強盗から助けた宿屋に招待されて泊まっていたところ、モミジ道士の助けを借りた強盗サモハンとキンポーが宿屋を襲う。そして、モミジ道士の父であるムササビ道士や、金爺さんの元婚約者マーボー婆さんを巻き込んだ戦いへと発展する。

感想

冒頭の五分半を使用して前作までのおさらいをしてくれる親切設定である。爆死したスイカ頭は継ぎ接ぎのフランケンシュタインキョンシーにされているのだが、キョンシーキョンシーのままで、人間としての蘇生を目指すようなお約束的展開ではなかった。ゾンビもそうだけれど、たとえ生きているように動いても死者なのである。その先はちゃんとしたストーリーがあるというよりも、(割とキョンシーそっちのけのまま)なんだかんだで道士どうしの対決になだれ込んで行くというドタバタ展開である。おまけにデッパとチビトラがナレ死的に修行に出されて、トンボという新キャラが何食わぬ顔で加入している。割とメチャクチャである。

前作でも同じことを思ったが、自らの出現と消失を自在に操ることのできるベビーキョンシーがチート過ぎる。敵でも味方でもないジョーカー的な存在ではあるものの、話を動かすために少々便利に使われすぎているような気もする。

本作のラスボス、ムササビ道士。赤い道衣にゲジゲジ眉の老人である。彼が金爺さんを連れ去り、金爺さんに捨てられて50年が過ぎた元婚約者マーボー婆さんが立ち上がる。なんという純愛!この婆さんが、金爺さんと同じく年齢の割にかなり動けるのだが、ラストバトルは全員を活躍させようとして逆にショボくなっていたのが残念。ムササビ道士の周囲を皆で取り囲んで、突然現れたベビーキョンシーがとどめを刺してくれる。お前、どこから出てきたんだよ。なお、モミジ道士とマーボー婆さんの甥の間でも恋の花が咲いている。ロマンス溢れる(?)一作である。

吹替声優の紹介を交えた日本独自と思われるED映像が本編後に流れる。テンテンちゃんの声優は高田由美で、本作の制作当時20代だった。おばさんっぽいプロ幼女声とか言ってごめんなさい。その他に「編集・効果・選曲」等にも日本人の名前がクレジットされているのだが、これはED映像のみなのだろうか。それとも本編も日本独自バージョンとして手が加えられているのだろうか。効果音が妙に90年代バラエティ番組風なので、もしそうであっても驚きはない。また、強盗の名前がサモハンとキンポーというのも原語に忠実な訳なのか気になる。マーボー婆さんなんて「婆」の字が被るだろうに。

本作のテンテンちゃんが可愛かったシーンは、宿で親指を咥えて眠っているシーン。

キョンシーは太陽光を浴びると溶けるそうである。燃え上がるヴァンパイアよりも凄い画が撮れそう。クローネンバーグ風に撮ったら子供向け映画じゃなくなるけれど。

幽幻道士 キョンシーズ3

幽幻道士 キョンシーズ3

  • メディア: Prime Video