オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『香港国際警察/NEW POLICE STORY』

新警察故事(New Police Story), 124min

監督:ベニー・チャン 出演:ジャッキー・チェンニコラス・ツェー

★★★

概要

酒浸りになったジャッキーがエクストリーム強盗団と戦う話。

短評

旧『ポリス・ストーリー』シリーズとは直接の繋がりがない2004年の映画。笑いを封印し、比較的最近の映画らしくシリアスなポリス・アクションとなっている。しかし、銃撃戦や爆発シーン一辺倒というわけではなく、ジャッキーらしい身体を張ったスタントもしっかりあるし、旧シリーズの見せ場を彷彿とさせるようなシーンに思わずニヤリとさせられた。ポリス・ストーリーとは名ばかりのジャッキー本人によるタイトル詐欺とは異なり、ちゃんと“ポリス・ストーリー”ある。ちなみに、『新ポリス・ストーリー』という別作品があって紛らわしい。

あらすじ

香港警察のチャン警部(ジャッキー・チェン)は、人質事件を解決するなど華々しい活躍を見せていた。ある日、エクストリーム強盗集団が銀行を襲撃し、あえて現場に警察を呼び寄せて銃撃を浴びせる。部下を引き連れて強盗のアジトに乗り込むチャンだったが、彼らの罠に掛かり、いいように遊ばれ、九人の部下が全員命を落とす結果となる。それ以来、彼は酒浸りの日々を送るようになる。

感想

そこに青島刑事風のモッズコートを着た巡査1667号ことシウホンが現れて、チャンが再び強盗集団に立ち向かうという話である。この巡査のキャラクターは少々お約束的過ぎてシリアス展開に合っていないと思うのだが、物語全体が破綻してしまうほどではなかった。彼がチャンの婚約者ホーイー(チャーリー・ヤン)の部屋から電話するシーンはそこはかとなくNTR臭がしてドキドキしたものの(特にキッチンでホーイーの後ろにシウホンが迫る場面)、特にそういう展開はなかった。ジャッキーの恋人役が気の毒な目に遭う展開は旧シリーズと共通している。彼女の誕生日のエピソードを入れることで酒浸り生活の経過期間を示す演出は気が利いていた。

敵のアジトに部下と乗り込むのはいいとして、敵の脱出ルートを塞ぐように周囲を固めておかなかったチャンは無能である。それはともかく、アジトの大爆発が二作目のラストシーンを思い出させた。他にも旧シリーズの見せ場を彷彿とさせるシーンがあり、チャンが二階建てのバスの屋根に乗って看板を避けるシーンやデパート内で大暴れするシーンは、一作目の象徴的なシーンをスケールアップさせたかのようである。旧シリーズのファンなら思わず喜ばずにはいられない。EDのNG集では命綱の使用が確認できる。映像処理技術のおかげで安全対策をとれるようになったことで、アクション表現の幅が広がっていることが分かる。

全編がシリアス・オンリーというわけではなくて、チャンとシウホンが逮捕されて留置所から“脱出”する時に、同僚たちが見えていないフリをしてくれるというコミカルなシーンもある。そこで反目していた刑事が味方になってくれるという熱い展開付きである。サム刑事の伏線回収もあったりなんかして、アクションありきで後からストーリーを作った一作目とは異なり、(意外にも)ちゃんとしたストーリーも良いのである。

XスポーツとTVゲームを愛好するエクストリーム強盗団との最終決戦。ボスのジョーとの対決の舞台は、映画の世界だけではなく現実に見たことのある香港島の高層ビル郡を背景とした建物の屋上である。このショットの格好よさが抜群なのだが、対決の内容が拳銃の組み立て勝負なのは惜しかった。どうしてここで戦わないのか。ジョーには警視正の父に厳しく育てられた被害者としての側面があるものの、もう立派な大人の年齢なので、「嫌ならさっさと独立しろ」としか思わなかった。父を憎んで警察を殺すくらいなのに両親と同居しているというのは、想像を絶するレベルのマザコンである。

香港国際警察 NEW POLICE STORY [DVD]

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  • 発売日: 2012/06/20
  • メディア: DVD