オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『マダム・クロード2~情事の罠~』

Madame Claude(Intimate Moments), 94min

監督:フランソワ・ミメ 出演:アレクサンドラ・スチュワルト、ベルナール・フレッソン

★★

概要

マダム・クロードが政府関係者に脅される話。

短評

桃色描写がとてもねっとりと進化したシリーズ第二作。と言っても、キャスト・監督・物語の全ての面で前作との繋がりはなく、続編というよりも焼き直しの印象が強い。それも悪いことばかりではなく、エロサスの「サスペンス」の部分が“おまけ”であることが分かっているので気楽に観られる。また、クロードとの関係発覚を恐れた要人のせいでトラブルに巻き込まれるという構図も全く同じで分かりやすかった。エロはエロ、サスペンスはおまけと割り切りやすい一作である。

あらすじ

パリで政財界の要人に高級娼婦を派遣しているマダム・クロード(アレクサンドラ・スチュワルト)。彼女の“娘”たちの一人カリーヌ(Lise Thoresen)が中央アフリカの要人と会っているところを新聞社のカメラマンに激写され、フランス政府の要人たちが彼女との関係発覚を恐れるようになる。夜道で狙われるなど脅迫を受けるクロードだったが、ある取引の成立に協力し、手数料200万ドルを得て引退することを決める。

感想

桃色描写が「これでもか!」と言わんばかりに“ねっとり”である。映画の冒頭では出勤前のカリーヌが、ストッキング、パンティ、ガーター、ブラジャーと順に身に着けていく姿をじっくりと捉えてサービスし、その他の“お仕事”シーンも「やり過ぎだろ」とツッコみたくなるくらいに長々と映し出されていた。愛撫し過ぎである。おっぱい舐め過ぎである。映画のエロシーンとしては長過ぎてテンポが悪いのだが、前作を観たおかげで「顧客との関係がストーリーに反映されるかもしれん」と余計なことを考えることなくおっぱいを楽しめた。高級娼婦たちの肉体は前作に比べて控えめだったが、彼女たちの仕事ぶりは控えられていなかった。

官能小説的な描写が多い。デビュー前の歌手セリア(キム・ハーロウ。本当に歌手らしい。そのせいなのか彼女にはヌードシーンがない)は、精神科医の元に派遣され、セラピーの体で官能的体験談を語りはじめる。既婚者という設定の彼女が、エレベーターに若い男と二人で閉じ込められ、情動を抑えられず交わる。とても情感たっぷりなフランスらしい語り口であった。医師は椅子に腰掛け、肘掛けを固く握りしめている。交わることなく報酬を支払う変態的上客であった。

香港へ派遣されるチェリストのバネッサ(Lena Karlsson)。顧客の女銀行家から「今夜はあなたが音楽になるのよ」と告げられる。官能小説というよりも奈倉・柏木両氏による週刊実話の体験談に出てきそうな表現である。彼女がチェロを演奏中にメイドが服を脱がして愛撫し、やがて彼女が楽器になる。この時、女銀行家は二人の情事を見つめながら自身の体を弄っている。前作のバグダッド殿下もそうだったが、アジアの顧客は召使いに“させる”のが好きなのだろうか。バネッサは、高級娼婦としては顔つきも体つきも少々未熟に見えたのだが、撮影当時何才だったのだろう。

アレクサンドラ(Johanna Perkins)というニューヨークのビジネスウーマン兼娼婦に対して、男の顧客(彼女の上司)がプライベート・ジェット内でCAと交わらせるシーンもあったが、彼はジョニーをコントロールし切れずに「自分にも同じ事して」と要求していた。鍛錬が足りない。しかし、アレクサンドラはサプライズ・プレゼントのはずなのに、何故機内に鞭を用意してあったのだろう。

冒頭でサービス・ショットを披露したカリーヌ。バハマに派遣され、若き富豪とビーチで情熱的に交わる。前作のエリザベートであれば恋に落ちているシチュエーションだが、「僕が結婚しようと言ったら?」と問う顧客に対して、彼女は「あなたは金で買えるものを買っただけ。それ以上は期待しないで」とプロフェッショナルな意見を述べていた。なお、映画の最後に出てくる謎の後日談で、彼女は父親の分からない子供を出産している。

官能小説的な描写を抑えての変態MVPは、娼婦デビューを飾る二児の母で既婚者のエレーヌ(Dirke Altevogt)である。彼女の顧客は、マジックミラーの前でそうとは知らず自慰する彼女を盗撮し、それを見せながら行為に及んでいる。「今日自分は抱かれるんだ」と覚悟して行ったら抱かれず、思わず自分でしてしまう辺りに、冒険を求める主婦という設定が活きていた。映像で感じる場所を確認した上で愛撫する男はなかなかのやり手である。本作では、“娘”たちの本業が設定されていたのも印象的だった。

今回のマダム・クロードの有り難いお言葉は、「恋に落ちたら可能性がしぼむ。冷静でいなさい」「高名な相手でもあなたの腕の中ではただの男よ」。

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  • 発売日: 2019/06/07
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