オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『マダム・クロード』

Madame Claude(The French Woman), 109min

監督:ジュスト・ジャカン 出演:フランソワーズ・ファビアン、デイル・ハドン

★★

概要

政財界の要人に高級娼婦を派遣するマダム・クロードの話。

短評

エロがメインのエロサスである。正直に言えば、エロばかりに目を奪われて、ロッキード事件の絡んだ国際的ポリティカル・スリラーみたいな話はよく分からなかった。エロの合間に登場して話を進めようとする男たちは顔が似ていて覚えづらいし、おっぱいの後にCIAだの何だの言われても興味が湧かない。考えるは次のおっぱいばかりである。マダム・クロードは、J・F・ケネディをも顧客に持った実在の人物をモデルにしているのだとか。

あらすじ

パリで政財界の要人に高級娼婦を派遣しているマダム・クロード(フランソワーズ・ファビアン)。彼女の“娘”たちの一人アン・マリー(Vibeke Knudsen)の恋人でカメラマンのデビッドは、娼婦と一緒にいる要人を盗撮・脅迫している。彼の撮影した写真がロッキード事件と繋がり、共犯を疑われたクロードもトラブルに巻き込まれることとなる。

感想

おっぱいがいっぱいである。裸でのお出迎え、全裸に毛皮のコートで浜辺を散歩、ジャグジーでの激しいプレイ、ダンスで相手(ジル:Ylva Setterborg)をイカせるバグダッドの殿下と彼の召使いによる舌技、初めてのお仕事(女が男の身体に顔を這わせながら横たわっていく表情が良い)、ビーチでの童貞卒業、パーティー会場での大乱交(他には女装趣味の大使の性別逆転変態プレイも)。枚挙に暇がない。皆美しい肉体をしていた。流石はVIP専用の高級娼婦である。嗚呼、羨ましい。三十郎氏には縁のない世界である。宝くじが当たってもコネがなければ無理だろう。

サスペンスの部分がよく分からなかったのは三十郎氏がおっぱい以外に集中していなかったからだとして、もっとよく分からないのはデビッドである。彼は、娼婦たちの多くと客としてではなく関係を持ち、その上でアン・マリーと付き合っている。スーパーなヒモ男なのである。もの凄く男前というわけでもなければ、性格も傲慢で良さそうではない。特技は盗撮と瀕死の演技。どうしてこんな男がモテモテなのか。女性の部屋に自由に出入りし過ぎである。皆の部屋の鍵を持っているのか。それともセキュリティが貧弱なのか。他の女とも寝ていることを承知で付き合うアン・マリーの豪傑ぶりも何なのか。

クロードがスカウトする万引き娘のエリザベート(デイル・ハドン)。彼女の部屋の扉にスヌーピーのポスターが貼ってあって親近感が湧いた(チャーリー・ブラウンの髪の毛を増量して自分の髪型に寄せているのが可愛い)。彼女は娼婦社会の虚しさやクロードの利己的な人間性を示唆する重要なキャラクターなのだが、サスペンスとは何の関係もなくて、これも話を混乱させていたと思う。彼女は富豪から「息子を男にしてやってくれ」と依頼されて交わるのだが、いくらお熱い交合だったとは言え、それだけで「私達は愛し合ってたのよ」を観客が理解するのは無理だと思う。クロードを誘惑し(ここはレズプレイを見せてほしかった)、初めての客に翌朝軽くあしらわれてショックを受けと、彼女は熱しやすいのだろうか。

クロードが通う歯科医(Nicole Seguin)が、夜の汽車で痴漢男に犯されて性に目覚め、「私も働きたい」と申し出る(本作と同じジュスト・ジャカン監督の『エマニエル夫人』みたいな世界だと思った。『O嬢の物語』も監督している桃色映画専属である)。とりあえず彼女を脱がせてみたクロードは、その姿を見て「楽しんでるわね。それじゃ仕事にならない」と不採用を決める。新人娼婦のエリザベートには「自分じゃなくて夢を売りなさい」と助言しており、なんだかアイドルの世界みたいだと思った。

マダム・クロード [DVD]

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  • 発売日: 2019/06/07
  • メディア: DVD