オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『インビトゥウィーナーズ/思春期まっただ中』

The Inbetweeners Movie, 96min

監督:ベン・パーマー 出演:サイモン・バード、ジェームズ・バックリー

★★★

概要

男四人で高校の卒業旅行に行く話。

短評

イギリスのTVドラマの劇場版なのだが、ドラマ版を未見でも全く問題なく楽しめた。ジョニーに頭を支配された阿呆な少年たちの阿呆で下品な話である。ストーリーに意外性は皆無だが、男四人が「太陽、海、セックス、ビーチ、酒、セックス、割れ目、おっぱい、酒、セックス」を求めて旅に出るというジョニー全開な設定の時点でだいたい楽しい。四人組の絶妙にリアルなダサさや英国式に皮肉の効いた会話も良かった。ドラマ版も見てみたい。続編もあるらしい。

あらすじ

父の再婚の式に「変人だから」という理由で招待されないウィル。シュノーケリング用のゴーグルを着用し、ハムを利用したエロチャット自慰行為に励み、母親の乱入を受けるジェイ。恋人ニコール(ローレン・オルーク)とバイト先のスーパーでイチャつくニール。そして、恋人カーリ(エミリー・ヘッド)にフラれたサイモン。「フラれたことなんて忘れてしまえ」ということで、高校を卒業した彼らは自立の第一歩として(親の金で)クレタ島のマリアへと旅立つ。

感想

どうしてもカーリのことを忘れられないサイモンがクヨクヨしつつ(彼女に言及するとタマを叩かれるルール)、四人が皆それぞれにお相手を見つける話である。サイモンの相手となるルーシー(タムラ・カリ)が可愛い上に、とってもいい子で、サイモンに気があるという羨ましいご都合主義。「さっさと振り切って乗り換えろ」という三十郎氏の気持ちをよそにカーリのことしか考えられないサイモンのクソ野郎ぶりが笑えた。ともかくルーシーが報われて良かったと思う。相手のサイモンが『メリーに首ったけ』で精液ジェルをつけたキャメロン・ディアスみたいな髪型なのは考えものだが。

恋人のいるニールはモテる。彼は恐ろしくストライク・ゾーンが広く、リサ(ジェシカ・ナペット)に言い寄られながらも、“給食のおばさん”的な熟女を部屋に連れ込んで「キスはしてないし、先っぽしか入れてないからセーフ」という謎理論を披露していた。ジェイは最も明け透けに性欲旺盛な変態だが、そういう奴に限って実地経験皆無というのがリアルである。男なら知り合いに一人はいるタイプなのではないか。性格の悪いモテ男ジェームズ(テオ・ジェームズ)にウンコ付き吸引器で一矢報いるという地味な反撃が、弱者の戦略という感じで良かった。

そして、主人公というか語り部のウィル。金髪美女のアリソン(ローラ・ハドック)から「あなたは面白いから童貞捨てられるわよ、私以外で」と褒められるユーモアのセンスの持ち主である。背中に陰茎を描かれても慌てないおおらかさは見習いたい。「僕と同じレベルの子を狙う気にはなれない」は見習わないようにしたいが同意する。『ダークナイト』トリロジーでアルフレッドが多用している「I told you so.」という言葉が、英国式皮肉の基本らしい。「一年後も童貞だったら卒業させてあげる」に対しての「書面に……」が好きだった。面白かったが、実生活で言わないように気をつけたい。

そんな四人が飲み明かして、馬鹿をやって、喧嘩して、仲直りする。型にはまった物語ではあるのだが、互いに罵り合いながらもなんだかんだで仲が良いという付かず離れずの距離感にリアリティと心地よさの両方を感じる(ペニスの奴隷として仲間に譲れない点も)。サイモンの髪型以外にも彼らの服装のダサさが絶妙にリアルで、特にウィルのチェック・シャツとチノパンの組み合わせは、万国共通のオタク・ファッションなのだろうか。サイモンの袖の部分だけが変な色の微妙過ぎるTシャツも、しまむら的な「どこで買ったんだ」感がある。彼ら“イケてない”グループのハッピー・エンドは全くリアルでないが、そこは映画である。願わくは三十郎氏にもどうか映画的マジックの発動を。

最低なホテルを「北朝鮮強制収容所」と形容できる言葉のセンスが羨ましい。

インビトゥウィーナーズ/思春期まっただ中

インビトゥウィーナーズ/思春期まっただ中

  • 発売日: 2017/12/30
  • メディア: Prime Video