オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ふたりのベロニカ』

La Double Vie de Véronique(The Double Life of Véronique), 97min

監督: クシシュトフ・キェシロフスキ 出演:イレーヌ・ジャコブ、フィリップ・ヴォルテール

★★

概要

ポーランドとフランスの二人のベロニカ。

短評

これは、……なにかスピリチュアルな話なのか。フランスのベロニカが感じる喪失感の正体が最後までさっぱり分からず、完全に置いてけぼりだった。二人のベロニカは、同じ時代を違う場所で生きていて、外見が瓜二つ。そして音楽という共通点を持つ。この両者がどう繋がっていて、“虫の知らせ”的な霊感の話になるのか。……分からぬ。二人のベロニカを演じたイレーヌ・ジャコブのおっぱいと映像は綺麗だった。

あらすじ

ポーランド―指の怪我でピアノの道を諦めたベロニカ(Weronika。イレーヌ・ジャコブ)は、クラクフで音楽団の試験に合格して歌手となるも、初舞台で心臓に痛みを感じて倒れ、そのまま舞台上で逝く。フランス―情事の後にふと悲しみに襲われたベロニカ(Véronique)は、プロ音楽家の道を捨て、学校で子供たちに音楽を教えている。ある日観た人形劇と人形師に心奪われた彼女の元に、次々と不思議な贈り物が届くようになる。

感想

二人のベロニカは一度出会っている。何かの抗議集会が行われているクラクフの広場で、バスに乗車する仏ベロニカを波ベロニカが目撃。仏ベロニカは車内から広場の写真を撮っており、意図せずして波ベロニカが写り込んでいる。「波ベロニカはドッペルゲンガーを見ちゃったから死んだんだね」という話とは流石に違うと思うのだが、その後、波ベロニカが死亡し、仏ベロニカは何故か悲しみに襲われて音楽の道を捨てる。

波ベロニカの死が“なんらかの形”で仏ベロニカに伝わり、そこで歌わなくなった仏ベロニカの命が救われている形である。スピリチュアルな世界を全く信じない三十郎氏にとっては「なんのこっちゃ」なのだが、とにかくそういう話らしい。なにか「大いなる力」だったり「どこかにいるもう一人の自分」によって生かされているのだと。この言葉にすると陳腐でしかない理屈を情感たっぷりに描いた一作なのだと思うが、三十郎氏にはその感覚が全く理解できなかったし、ただ感じ入ることもなかった。

謎の贈り物に導かれて、人形師アレクサンドルとカフェで会うベロニカ。そこに待っていた答えは、「実験してみただけ」である。……は?これまでの意味深な描写は一体何だったのか。三十郎氏と同じく憤慨したベロニカはその場を立ち去るものの、結局アレクサンドルと再会して交合している(波ベロニカの恋人アンテクがクラクフで泊まっていたホテルと同じ287号室)。もう一度「は?」である。これが運命の導きなのか。三十郎氏が半ばストーキング的に美女を呼び出しても、相手は決して運命を感じてくれまい。泣いてる相手に興奮して挿入するってどういうことだよ。

三十郎氏にとっての最大の見どころはイレーヌ・ジャコブのヌードである。おっぱいが綺麗なのはもちろんのこと、絶妙な構図で切り取られた裸体に無粋なボカシが掛かっていないのも好印象だった。雨に打たれながら恋人に脚を絡めたり、下着姿で部屋をウロウロするシーンも良い。

波ベロニカがしている指輪を目元に擦り付ける行為にはどんな意味があるのか。メイクの一貫なの?

ヨーロッパ映画に対する苦手意識が高まった。クシシュトフ・キェシロフスキ監督の『トリコロール』三部作を観ようと思っていたのだが、やめておくことにする。

ふたりのベロニカ(字幕版)

ふたりのベロニカ(字幕版)

  • 発売日: 2013/12/21
  • メディア: Prime Video