オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ポリス・ストーリー3』

警察故事3/超級警察(Police Story 3), 96min

監督:スタンリー・トン 出演:ジャッキー・チェンミシェル・ヨー

★★★

概要

ジャッキーが麻薬密輸組織に潜入捜査する話。

短評

シリーズ三作目。原題にはこれまでなかった副題がついたのに、邦題から副題が消えたのは何故だろう。不思議である。前二作では監督を兼任していたジャッキーが演技に専念し、共演のミシェル・ヨーとのW主演に近い形になっている。彼女のジャッキーに負けずとも劣らないキレのある動きに目を奪われた。ストーリーはギャグを交えながらも逸脱が少なく、潜入捜査ものということで007のような雰囲気があった。

あらすじ

巧妙化を続ける麻薬密輸に頭を悩ませていた香港警察。香港の麻薬市場を仕切るチャイバを逮捕するため、本土中国の国際警察と協力することになる。香港側の“スーパー・コップ”として送り込まれたチェン(ジャッキー・チェン)は、本土側のヤン部長(ミシェル・ヨー)の指揮の下、収監中のパンサー脱獄に手を貸し、組織への潜入を図る。

感想

大きな見せ場が二つある。一つは、『ランボー2』のような火薬たっぷりの銃撃戦。もう一つは、ヘリコプターの縄梯子に捕まるシーン。前者は出来は良くても「別にジャッキーじゃなくてもいい」タイプのアクションなのだが、後者のスタントがジャッキー“らしさ”を超えた“らしい”ものだった。

これは敵が逃亡するヘリコプターから吊るされた縄梯子に掴まって振り回されるという単純なシーンなのだが、どこにも命綱が見当たらない。現代の映画であれば命綱かワイヤーをCG処理するのが普通だが、90年代初頭の香港映画にその技術があるのかは疑わしい。鑑賞後に本作に関するいくつかの記事を読んでみると、いずれも「命綱なし」と書いてある。

ちょっと待て。確かにジャッキーはこれまでの数々の命懸けのスタントを披露し、大怪我を負うこともあった。しかし、これは「危険」の一言で済ませられるレベルを超えてやいないか。手が滑って落ちたら「怪我」ではなく「死」である。大げさに書いているだけで何らかの安全対策を講じていたと思いたい。低空飛行での撮影をアングル面で工夫したとか、特に危険な箇所は手首を固定したとか。映像的な迫力以上にハラハラさせられるシーンだった。その後に続く車両の屋根での攻防も素晴らしく、マレーシアでのアクションは圧巻の一言である。

ミシェル・ヨーも走行中の列車に飛び移るという危険なバイク・スタントに挑んでおり、スタンリー・トンという監督は出演者への要求水準が高い。

どことなく猪瀬直樹に似ている気がする上司の警部(トン・ピョウ)が老婆に扮装しているシーンがあるのだが、あれはバレるだろう。村人たちがチェンの家族として振る舞えるのなら、おっさんが老婆に扮する必要性が皆無だろう。シリーズお馴染みのメイ(マギー・チャン)がマレーシアにいる展開にも無理があったが、両者ともに良い清涼剤的な笑いになっていて、アクションと同じく印象に残るシーンだった。

ポリス・ストーリー3 (字幕版)

ポリス・ストーリー3 (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 
ポリス・ストーリー3(吹替版)

ポリス・ストーリー3(吹替版)

  • 発売日: 2018/11/07
  • メディア: Prime Video