オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ポリス・ストーリー2/九龍の眼』

警察故事續集(Police Story 2), 121min

監督:ジャッキー・チェン 出演:ジャッキー・チェンマギー・チャン

★★★

概要

ジャッキーが爆弾魔と戦う話。

短評

前作に比べるとアクションが地味になった感が否めないが、(語弊があるかもしれないが)ジャッキーの映画としては珍しくストーリーらしいストーリーがあった気がする。主人公が警察という設定を利用したアクション映画ではなく、真っ当なポリス・アクション映画に仕上がっていた。当然身体を張ったアクション・シーンも楽しめるし、「こういうのもありかな」と思える類の作風の変化だった。

あらすじ

タオ逮捕の功績を上げたものの、家屋やデパート破壊の責任を取らされ、交通整理の仕事に左遷させたチェン(ジャッキー・チェン)。おまけに病気を理由に釈放されたタオから脅迫を受けるという踏んだり蹴ったり。恋人のメイ(マギー・チャン)にまで危険が及び、チェンはタオの部下と乱闘して再度街を破壊する。署長に怒られたチェンは辞職を決めるが、爆弾魔による脅迫事件が発生し、再び警察の仕事に戻ることとなる。

感想

タオによる嫌がらせと爆弾魔の実質的な二本立てである。当初はタオによる復讐譚として制作されていたらしいが、撮影の途中でプロットを大きく変更したとのこと。この変更により「捜査」のパートが大きな割合を占めることとなり、警察ものとしての性格が強まった。タオの話が放り投げられてしまった感はあるものの、彼との決着がどうしても見たいと思うほど魅力的なキャラクターというわけではない。マンネリ化を防ぐ意味でも良い変化だったと思う。

タオの部下たちとの二度の乱闘や爆弾魔たちとの格闘と、本作におけるジャッキーの活躍はカンフー・バトルが多い。爆弾魔の一人メガネくんがラスボスになっていて、メガネという弱そうな外見の割にキレのある動きを見せていた(逆にタオの部下は毎回お約束的にメガネが割れていて気の毒だった)。メガネの強キャラって頭脳枠以外で誰かいただろうか。爆弾魔のアジトはドンキーコング的な樽投げやドミノ倒しといった舞台的アイディアも楽しく、よく考えるものだと感心した。そして最後の大爆発。花火もピューピュー飛んでいて、前作と同じ“やり過ぎ”感が唯一感じられる場面である。

署長に請われて警察へと呼び戻されたチェンは、尾行チームを指揮する立場に昇進する。容疑者を盗撮する際に、カメラの車体広告のレンズ部分に本物のカメラのレンズを取り付けるというアイディアが面白かった。キヤノンの広告でなくニコンならもっとよかったのに。三人の女性刑事によるパンチラ尋問は笑えたが、あれは刑事手続上明らかに問題がある。煙草の火を指で握り潰す演出は他の映画でも見かけるが、どうやっているのだろうか。

前作よりも明らかに出番の増えた恋人メイ。チェンがCAに騙されてパスポートを持ち去ってしまったため、不法入国を疑われて10時間も拘留される羽目に(実際に同じ状況に遭遇するとすれば機内での紛失なのだろうが、どうやって身分確認するのだろう。航空会社の責任で強制送還になったりするのか)。爆弾魔にも誘拐されるし、不幸系ヒロインが極まっていた。演じるマギー・チャンも撮影中に負傷する気の毒展開である(NG集で見られる。ジャッキーはもっと出血している)。前作は暴れ回り、本作は車に突っ込みと、「相性の悪い」バイクを手放したのは正解だと思う。

シリーズもので前作の映像が冒頭に挿入される場合、大抵は物語の流れを説明するためだと思う。しかし、本作の場合は単純なハイライト集となっていて、未見の観客には意味を成さないという不思議な演出になっていた。

ポリス・ストーリー2 九龍の眼 (字幕版)

ポリス・ストーリー2 九龍の眼 (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 
ポリス・ストーリー2 九龍の眼(吹替版)

ポリス・ストーリー2 九龍の眼(吹替版)

  • 発売日: 2018/11/07
  • メディア: Prime Video