オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『サランドラ』

The Hills Have Eyes, 89min

監督:ウェス・クレイヴン 出演:スーザン・レイニア、マイケル・ベリーマン

★★

概要

砂漠の殺人鬼一家。

短評

ヒルズ・ハブ・アイズ』のオリジナル版。途中まで観て「おや?この展開はどこかで……」と思い出した。リメイク版が現代的に洗練された美学を感じるグロ描写一本勝負の作品だったのに対し、オリジナル版はこの時代特有のゴチャゴチャした勢いのあるホラー映画となっている。見覚えのあるシーンが多いためストーリーはほぼ同じなのではないかと思うと思うが、リメイク版以上に食人要素が薄く、同様の物足りなさを感じた。ところで、「サランドラ」って何?

あらすじ

キャンピングトレーラーで旅行中の六人家族。ロサンゼルスに向かう道中で閉鎖済みの銀鉱に立ち寄ろうとするも、頭上を飛び交う戦闘機の轟音にビビって事故り立ち往生。そんな彼らを覗く怪しい視線。その砂漠には獲物を狙う殺人鬼一家が待ち受けていた。

感想

殺人一家の父ジュピターについての説明が「母親の腹を突き破って生まれてきた巨大な男」「毛むくじゃらの猿」「10才の時に砂漠に置き去りにしたのに変な女を捕まえて繁殖した」と散々な内容なので、どんな奇形怪物が出てくるのかと期待したら、ただの髭モジャおじさんだった。鼻がパカッと縦に割けているという特徴があるが、奇形という程ではない。醜いだけである。パッケージに写っている息子のプルートはハゲ怪人で奇形感があるものの、一家から逃げたがる娘のルビー(ジェイナス・ブライス)は割と美人だし、奇形の殺人一家と呼ぶにはインパクトの薄いビジュアルだった。

砂漠で立ち往生した一家が変人たちに襲われるという展開は不条理ホラー感がある。女性たちが必要以上にギャーギャーと甲高い叫び声を上げ続ける古めかしい描写も不条理感を引き立てる。それが魅力なのは分かっている一方で、この殺人一家の生態を知りたいという気持ちもあり、しかしそれをやると不条理感が損なわれるというジレンマ。

被害者一家の父ボブが丸焼きにされるのが食人要素と思って構わないのだろうか。食べるシーンが無いから分からない。プルートがトレーラーに侵入した時には食料漁りをしていたし、彼らも人肉が最も好きというわけではないらしい。

挽き肉を直食いして牛乳で流し込む男がいた。鳥の生き血の飲む雑食である。彼とプルートが金髪少女ブレンダ(スーザン・レイニア)の争奪戦を繰り広げ、乱暴された彼女がその後トラウマを発症している。それでも最後には逞しく戦っているのがホラー映画にありがちな“勢い”というやつである。ブレンダを奪われたプルートの荒れっぷりが笑える。

やはり対人戦で頼りになるのは犬である。そして、B級映画的に頼りになるのは火薬である。

サランドラ デジタル・リストア版(字幕版)

サランドラ デジタル・リストア版(字幕版)

  • 発売日: 2020/09/09
  • メディア: Prime Video