オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ディープ・ライジング コンクエスト』

Shark Attack 3: Megalodon, 94min

監督:デヴィッド・ワース 出演:ジョン・バロウマン、ジェニファー・マクシェーン

★★

概要

メキシコのビーチリゾートにメガロドンが出現する話。

短評

60日間お試し無料キャンペーン中だったのでシネフィルWOWOWプラスに登録した。一部読者にはお馴染みの「新しい配信サービスに登録したらまずは……」ということでのサメ映画である。シネフィルにはサメ映画の素養も必要らしい。爆発力ある奇抜な設定のない凡庸なサメ映画ではあるが、記録映像・模型・合成・CGとあらゆる(低レベルな)サメ映像を駆使して、普通につまらない程度の映画には仕上がっていたと思う。『シャークアタック』『ディープ・ライジング』の続編ということだが、ストーリーに繋がりはないらしいので気にする必要はない。それよりも、まだまだ未見のサメ映画がたくさんあるという事実が気になる。

あらすじ

メキシコのビーチリゾートでパトロール隊員として働くベン。ある日、彼は(ロブスターの密猟中に)海底の光ファイバー・ケーブルに刺さったサメの歯を発見する。古生物学者のキャットに調べてもらったところ、なんと絶滅したはずのメガロドンの歯であった。巨大ではないメガロドンがリゾートの客に襲いかかる。その裏には大企業の陰謀が潜んでいた。

感想

序盤はメガロドン詐欺的である。ベンが「これはデカい!」と驚くサメの歯は全然大きくなくて、登場するメガロドンも普通のサメである。後になってキャットが「これは赤ちゃん」と断じて納得がいった。最終決戦では本当に大きなメガロドンも登場するため、サメ映画にありがちな詐欺作品でなかったことは評価したい。

本物のサメの映像は記録映像を流用しているのだろう。背景はともかく、同一場面内でのサメの種類すら不安定なシーンが一部見られた。襲撃シーンにはつぶらな瞳が可愛らしい模型も使用しているが、こちらも記録映像との併用になっていて、何を襲っているのか分からないシーンが多い。この程度は気にするようなことではない。ちゃんとサメが出てくるだけで十分ではないか。吠えるサメが“ちゃんと”しているとは言えないが、サメがその気になれば咆哮を上げることくらい可能だろう。

気にするべきは人間たちの阿呆な行動である。クライマックスでは大きい方のメガロドンが船上パーティー中のボートを襲撃する。船が外から襲撃を受けてガタガタ揺れているというのに、客たちは何故か海に飛び込んでいく。海に飛び込むだけなら我慢するとして、何故かメガロドンの口の中にも自らぴょーんと飛び込んでいく。海面に口を出すサメの映像は明らかに使い回しで、迫力ある資料を複数用意できなかったのか。それともケチっただけなのか。

この質の悪い映像は批判して然るべきなのかもしれないが、サメとの(超低クオリティな)合成時に人を小さくしたり、他のシーンではサメの全身を映していたのを大メガロドンは身体の一部だけと、大きさを表現するための最低限の工夫がなされていて、(ビジュアル面でホオジロザメとの差別化が一切ない致命的な欠点を除けば)メガロドンという設定を放棄しなかった点は好印象である。我ながらサメ映画に対する評価基準が随分と甘くなったものだと思う。

サービスシーンが多めであり、人間たちの頭の中が桃色一色だった。カジキ釣りのガイドは客を無視して女と盛り、ビーチには上半身裸の女性客。全裸海水浴中に交わる男女が襲われ、キャットが雇ったカメラマンは彼女の尻を狙い続ける。おっさんが愛人の膝を撫で回す手を執拗なまでに追いかけ、最終決戦の前夜にベンとキャットが唐突に交わる。ベンの口説き文句は「君を食べたい気分だ(eat your pusssy)」である。この台詞にときめく女性が万が一いたら名乗り出て欲しい。

 

*追記

第一作の『シャークアタック』も配信していた。順番を間違えてしまったが観てみようと思う。「まだ観てないサメ映画だ!」と適当に飛びつく前に少しは調べてみなければ、サメの口に飛び込む阿呆たちと同じレベルの知能でしかない。

ディープ・ライジング コンクエスト(字幕版)

ディープ・ライジング コンクエスト(字幕版)

  • 発売日: 2015/09/16
  • メディア: Prime Video