オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『サンダーアーム/龍兄虎弟』

龍兄虎弟(The Armour of God), 98min

監督:ジャッキー・チェン 出演:ジャッキー・チェン、ローラ・フォルネル

★★★

概要

ジャッキーが三角関係で揉めた元想い人を救出する話。

短評

ジャッキーがインディー・ジョーンズ的冒険をする“アジアの鷹”シリーズの第一作。『ライジング・ドラゴン』『プロジェクト・イーグル』と順番を遡る形になってしまった。ショーペンハウアー先生が「結末がわかっていれば、出だしをいっそう正しく理解できる云々」とかなんとか言っていたらしいので、これを曲解してよしとしておこう。もっとも各作品間には特に繋がりがなく、順番はどうでもよかった。本作はシリーズで最もお宝探しや冒険の要素が薄かった印象である。

あらすじ

未開の部族から聖なる剣を強奪した“アジアの鷹”ことジャッキー(ジャッキー・チェン)。とある邪教集団が、彼の能力を利用して残りの“神の武具”を集めようと画策する。ジャッキーにはかつて所属したバンド内のメンバーと三角関係で揉めて脱退した過去があり、元想い人のローラが誘拐されてしまう。ローラの恋人アランと共に、ジャッキーが救出ミッションに挑む。

感想

お宝探しの冒険要素は最初の聖剣だけである。“神の武具”は全部で五つあり、二つは伯爵が所有、残りの二つは邪教集団が所有している。ジャッキーは伯爵に「邪教が持ってる二つを強奪してくるから、とりあえず二つ貸してくれ」と交渉し、伯爵の娘メイ(ローラ・フォルネル)がメンバーに加わる。『スパルタンX』の鑑賞時に「覚えておこう」と思った美女の登場である。やっぱり綺麗だった。邪教は武具の破壊を目的としているのなら、わざわざ二つを保管せず入手した時点で壊してしまえばいいのに。

全然お宝探ししていないし、そもそも“アジアの鷹”をジョーンズ博士的と言うのは語弊があるような気がしてきた。ジャッキーは学術的・文化的価値には興味がなく、オークションで高値売却するために聖剣を“強奪”している(サクラを使って価格の釣り上げも)。どちらかと言えばジョーンズ博士の敵になりそうな盗掘者のイメージに近かった。ジャッキー曰く「金銭教は邪教と違って人を殺さない」とのことだが、邪教に対しては言い訳になっても、聖剣を盗まれた部族に対しては言い訳にならない。

部族から逃亡する時と邪教のアジトに潜入する時に、望遠と広角のショットをズームレンズでシームレスに繋いでいる。寄りのショットだけだと迫力はあるが何をしているのか分かりづらい。引きのショットだけだと迫力に欠ける。この二つをシームレスに繋ぐことで互いの欠点を補いつつ、更にジャッキー本人が実際に危険なスタントに挑んでいることが観客に分かる仕組みになっている。スタントダブルを使っていないからこその演出である。EDのNG集には、ジャッキーが頭から血を流して担架で運ばれる姿も収録されている。本当に命懸けなのである。

邪教の拠点を守る四人の女戦士たち。明らかにジャッキーの股間を狙って蹴りを放っていた。女が男と戦う時には金的攻撃に限る。これは鉄則である。一方、男同士の戦いの場合、金的攻撃では勝ったことにならないという暗黙の了解が存在する。対するジャッキーはおっぱいを狙って両手パンチを放っていたが、これは急所ではないのでダメージが小さそうだった。

カーチェイスのシーンでは車が宙を舞ってかなりの飛距離を出していた。車って飛ぶんだ……(他の映画では本当に飛んだり、泳いだりしているが)。シークエンスの最後には大爆発が待っていて、終盤の爆発攻勢への伏線(?)になっている。ところで、脱出ポッドを搭載した三菱の車は特注なのだろうか。

邪教集団は麻薬の販売により利益を得て、月に一度地元の売春婦をアジトに集めて信者のお楽しみとしている。とても邪教の狂信者とは思えぬ現実的な集団である。それとは別にローラを薬漬けにして洗脳しているのは、エロ漫画みたいなシチュエーションだと思った。

サンダーアーム/龍兄虎弟(字幕版)

サンダーアーム/龍兄虎弟(字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 
サンダーアーム/龍兄虎弟(吹替版)

サンダーアーム/龍兄虎弟(吹替版)

  • 発売日: 2018/11/07
  • メディア: Prime Video