オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『愛と裏切りの銃弾』

10 Cent Pistol, 90min

監督:マイケル・C・マーティン 出演:ジェナ・マローンJT・アレクサンダー

★★

概要

収監中に高飛びしやがったボスの家に兄弟で債権を奪いに入る話。

短評

退屈なだけの犯罪映画。ジェナ・マローンに釣られて観たのが失敗だった。主人公格の男二人が完全な無名俳優の時点で気付くべきだった。タフガイ風の兄は声が甲高いし、イケメン風の弟はチビである。時間軸を弄る構成自体に問題はないが、通常のどんでん返し映画で最後に「こういうことでした~」とやるタネ明かしの場面を延々と流しているような印象で、間延びが酷い。その上、「どうせ最後に“こいつ”が裏切ってもう一度どんでん返すんでしょ?」と思っていた通りの展開になる。不毛な90分であった。

あらすじ

イーストンとジェイクの犯罪者兄弟。イーストンが、ボスのパンチーを裏切った埋め合わせに対立するロシアン・マフィアを殺し、別の罪を被って一年間服役する。釈放後に報酬を受け取るはずが、収監中にパンチーが高飛び。イーストンの恋人ダニール(ジェナ・マローン)を含めた三人でパンチー邸に押し入るも、先客がいるし、警察が来るしで、計画通りにいかない兄弟であった。

感想

中盤の間延びが酷くて退屈だったという感想しか出てこない。冒頭の事件の部分はそれなりに魅力的なのに(警察が訪ねてくるという状況、家の中に犯罪者と家主の両方がいるらしいという描写、更に正体不明の人物までいる)、そこから先の説明パートがどうにも長すぎる。

この事件パートがメインとなり、スリルはそこだけで成立している。従って、それを放置した状態で、過去編にスリルを生むためだけのシーンを作るは必要ない。無事に本筋に辿り着くことが判明しているのだから。ジェイクがキャデラックをすり替えて金を盗むシーンを長々とやっていたが、これも無駄な描写でしかない。過去編は人間関係と経緯の説明に注力して、本筋の方を引き伸ばす配分にするべきだったと思う。

ところで、同じ車を揃えて内装をすり替えて騙すという発想は面白いが、鍵はどうしたのだろう。見落としたか。三十郎氏は車を運転しないのだが、あれだけ愛着のある車であれば、外見だけでなく座席シートの位置や角度、臭いなんかにも違和感を抱きそうなものだが。

イーストンとジェイクを演じるデイモンとJTは、本物の兄弟である。彼らは本作のプロデューサーを兼任しているらしく、これでどうして彼らのような絶望的に華のない二人が主演なのかは納得がいった。つまり、完全に自己満足のための映画でしかないのである。しかし、どうしてジェナ・マローンが出演したのかという疑問が湧いてくる。彼女もそれなりに顔と名前を知られているとは言え、大スターというわけではないしな……。

ジェナ・マローン大麻を巻く時の妙に艶めかしい舌使いがハイライトだろうか。三十郎氏も彼女に煙を口移ししてもらいたい。キスではなく煙だけだったのは、演出なのか、それともキスはギャラが別料金になるのか。

兄弟曰く、「ピザを折って食べない奴は信用できない」。三十郎氏は信用できることになる。しかし、ナイフとフォークで食べる文化圏の人々が全員信用できないことになってしまう。

愛と裏切りの銃弾(字幕版)

愛と裏切りの銃弾(字幕版)

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