オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ハッピー・デス・デイ 2U』

Happy Death Day 2U, 99min

監督:クリストファー・B・ランドン 出演:ジェシカ・ローテ、フィー・ヴ

★★★

概要

別の世界線でまたループする話。

短評

出だしは完璧に違いが、それ以降は少し粗の気になるシリーズ第二弾。SF的な話なったことにより小難しい科学設定が気にかかるのではなく(そんな事はどうせ分からない)、単純な演出ミスが目立つ印象を受けた。また、マスクマンの方の話がなくても構わないレベルになっていたのも惜しいだろうか。とは言え、前作の設定を活かしつつも作風を変化させており、ワクワク度では前作を上回る楽しさに仕上がっていた。

あらすじ

ルームメイトの性生活を充足させるため、自らは車で一夜を明かした聖人ライアン。ラボに現れた学部長に卒業研究をボツにされて落ち込んでいると、現在の自分の姿を捉えた写真が送られてくる。慌ててラボから飛び出すと、マスクマン登場でジ・エンド。次の瞬間、車で目覚める朝が再度やって来る。

感想

ライアン編の犯人を捕まえて、“シシー”を起動させて、またツリーが……までの導入部は完璧である。前作の展開を逆手に取って、「また同じ話か……」からの「また同じ話か!でも違う!」となり、期待と興奮がマックスに高まる。真人間に更生していたツリーが再度凶悪化するのも楽しい。導入部と設定だけを見れば、三十郎氏は本作の方が前作よりも好みである。

大筋としては「別の世界線で生きる方がいいと思っても、最後は元に戻るに決まってるよね」の前提条件通りの話だが、前作と同じく緩急の付け方が上手く、最後まで飽きさせることはなかった。

ただ、気になる点も多い。ループを閉じるべくシシーを稼働させるため、ツリーは実験条件の記憶&自殺作戦に。前作で身体にダメージが蓄積することが分かっているのだから(これは本作でも同じ)、無限の命路線の採用は不可解である。一度ループが閉じたことで身体も降り出しに戻っているのかもしれないが、たとえば何回まではセーフと上限を設ける描写があってもよかっただろう。それでもなるべく身体にダメージが残らないようにすべきだが、それをやるとコメディ成分が失われてしまう。

「他人の人生を生きるわけにはいかない」と元の世界線へ戻る決断をするツリー。彼女が変電所に突っ込んで実験を中断させるシーンは大きな見せ場となっているが、実験よりも先に彼女が死ねばループが発動されるわけで、ギリギリの攻防をやる必要はない。

病院で犯人諸共巻き込んで爆死するシーン。犯人を殺せばループが閉じるという設定はどこにいった。同時ならセーフなのか。それともツリーの方が一瞬先に逝ったのか。

ライアン編の犯人はライアンである。「ループを閉じようとしたら平行世界に入り込んじゃった」とのこと。彼が平行世界を移動した描写が回収されないのは消化不良だったし、別の世界線に戻る目的ならライアンを狙う理由も不明確である。SFの設定的な話だと、実験敢行時に来るはずのない学部長が乗り込んでくるのも説明がなかった。

パラレルワールドではあっても、ループしている世界線自体は同一のままである。つまり、前作の全裸ウォーキングの記憶は失われてしまったままらしい。残念。本作でも様々な死にっぷりを見せてくれるツリーだが、水着姿でスカイダイビングを敢行していた。どうやら彼女には露出癖があるらしい。全裸を見られても平気なのかもしれない。なお、彼女は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を知らない最低のビッチであった。

ライアンの研究室のメンバー(サラ・ヤーキン)が、「パーセクっていうのは距離のこと」「じゃあハン・ソロが嘘をついたと?」みたいな会話を交わしている。パーセクは確かに距離の単位である。ただし、「ケッセル・ランを12パーセクで飛んだ」というのは、12パーセクの距離の最短ルートのワームホールを発見したという話だったはずなので、彼は嘘をついていない。三十郎氏も大学時代にこんな会話のできる女友達が欲しかった。マンスプレイニングでウザがられただろうけれど。

それにしてもこの大学のマスコットは不気味である。こんな大学に入らなくてよかった。ふと「母校にマスコットなんていたっけ?」と気になって調べてみると、三十郎氏の卒業後に可愛らしいゆるキャラみたいなのがマスコットに制定されていた。

ハッピー・デス・デイ 2U (字幕版)

ハッピー・デス・デイ 2U (字幕版)

  • 発売日: 2019/09/20
  • メディア: Prime Video