オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『フレッシュ・ミート サイケな家族』

Fresh Meat, 91min

監督:ダニー・マルヘロン 出演:テムエラ・モリソン、ハンナ・テヴィタ

★★★

概要

護送車から脱出して逃げ込んだ先が人肉食一家だった話。

短評

ニュージーランド発の愉快でグロテスクなホラー・コメディ。敵も味方も徹頭徹尾阿呆ばかり。ニュージーランド映画をたくさん観ているとは言えないが、『ワイルド・ドライバー』でもそうだったように、バカげたアイディアがバカげた方向へ突き抜けていくという特徴が感じられる。他にもないか探してみようかな。

あらすじ

諸々の犯罪で12年の懲役を食らった台湾系移民のリッチー・タン。彼を乗せた護送車の停車中に、リッチーの弟ポーリーらの仲間が襲撃を仕掛けて救出する。警察に追われる一味は高級住宅地のとある家庭に逃げ込むが、そこに待っていたのは人を食らうクレーン一家の四人だった。

感想

このあらすじの書き方だと『ドント・ブリーズ』方式の返り討ちに遭う話のようだが、実際には一家の娘リナ(ハンナ・テヴィタ)が主人公で、彼女が寄宿学校に通っている内に家族が人肉食に走っている(本当はそれよりも前から)。従って、人肉食一家の被害者なのは逃亡者一味だけなく、リナからすれば全員が「なんだこいつら!?」な存在なのである。

クレーン家を率いる父ヘミ(テムエラ・モリソン。ジャンゴ・フェットの人)。作家兼准教授である彼は、論文・著作ともに全てが未出版という輝かしい経歴の持ち主である。母マーガレットは有名シェフで、料理本15冊に自伝1冊を出版という(本当に)輝かしい経歴の持ち主である。シェフだけあって素材の肉をちゃんとマリネードしていて、完成した料理も見た目は意外と美味そうである(ベジタリアンによる感想は「野性的な味」)。

恐らく妻へのコンプレックスが夫を狂気に走らせている。「ソロモン教の云々」と儀式めいたことを口にして儀式めいた人肉食を敢行しているが、実態は阿呆男が暴走しているだけである。「食材は新鮮でなくちゃいかん」と隣人を食べる辺りにも計画性のなさが垣間見える。後述する逃亡者一味も阿呆集団だが、父を筆頭に一家も阿呆集団であるため、内紛とゴタゴタを繰り返すホラー要素のないホラー・コメディとなっている。

ただし、スプラッター描写だけはしっかりしているので要注意(且つお楽しみに!)。死体から肝臓を取り出したり、生きている人間から心臓を取り出して「これは最高の贈り物だ!」と喜んだり。格闘中に右腕がポーンと飛んでいくシーンも好きだった。

さて、逃亡者一味。救出作戦の時点からグダグダしていることからもお察しレベルだが、なんと言ってもリーダーのタン兄弟。弟のポーリーはジャンキーで、兄のリッチーは女性ものの下着を身につけないと陰茎が反応しない変態である。デブのリッチーが女子高生の可愛らしい下着を身につけた姿は、なんと形容すればよいのか分からない気味の悪さ。恋人のジジ(ケイト・エリオット)に性癖がバレた後も下着を外さない辺りが筋金入りだと思う。

対するリナも負けてはいない。百合っ子ちゃんである。映画の冒頭、女子高のシャワールームで同級生に手を出して洗っこを始めた時点で「これは大変に素敵な映画である」との確信が得られる。彼女がマオリの踊りでリッチーを誘惑して陰茎に噛み付くシーンも楽しいが、リッチーに愛想を尽かしたジジと恋に落ちる展開は更に楽しい(ジジもリナを選んでリッチーの首を吹っ飛ばす。頭部が破壊されないのか?)。冒頭の眼福シーンはただのサービスではなかったのだ。物語の鍵を握る伏線だったのである。リナの身体は健康的な肉付きで、三十郎氏が人肉食をするなら彼女の肉がよい。彼女のプリッとしたお尻が美味しそうだった。もちろん同級生のおっぱいも。

フレッシュ・ミート サイケな家族(字幕版)

フレッシュ・ミート サイケな家族(字幕版)

  • 発売日: 2020/03/20
  • メディア: Prime Video