オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ライフ・アフター・ベス』

Life After Beth, 88min

監督:ジェフ・バエナ 出演:デイン・デハーン、オーブリー・プラザ

★★★

概要

蛇に噛まれて死んだ恋人が墓から帰ってくる話。

短評

屋根裏とスムース・ジャズが好きなゾンビの話(なお理由は不明)。ゾンビを使った恋愛ものだと嫌だなあ……と心配していたのだが、完全にコメディだった。一応恋愛要素もあるが、最後に生きてる美人とくっ付くのだから、なかったと言ってしまってよいだろう。最初は(キリスト的)復活かゾンビかと揉めていたのに、結局人を食べて身体も朽ちるというしっかりしたゾンビぶりであった。アポカリプス的な場面も少しある。

あらすじ

ひとりハイキング中に蛇に噛まれて急死してしまったベス(オーブリー・プラザ)。彼女の恋人ザック(デイン・デハーン)は、ベスの父モーリー(ジョン・C・ライリー)と共に「あの時こうしていれば……」と悲嘆に暮れ、夏なのにベスの遺品のマフラーを首と股間に巻く生活を送るが、なんとベスが家に戻ってくる。大いに喜び、真っ昼間から砂浜で交わるザックたちだったが、徐々にベスの行動がおかしくなっていく。

感想

意思疎通ができるゾンビであり、徐々にゾンビ化するゾンビでもある。変化球である。死者なので身体が朽ちるのは納得できるとして、凶暴性を発揮しはじめた辺りで「これは可怪しいぞ(+可笑しいぞ)」となり、結局人を食べちゃって「やっぱり普通にゾンビじゃねーか」と嬉しくなってしまう。この変化の様子は見事に演じ分けられていたと思う。バックパックの代わりにコンロとラジカセを背負ってハイキングし、坂を転げ落ちて豪快なパンチラと共に手脚がもげるシーンは大爆笑だった。

「本当にゾンビなの?」と思っていたら本当にゾンビだし、「ゾンビならハイチ出身の家政婦が何か知っているかもしれない」と思ったら何も関係ない。思い返してみると、冒頭でザックが黒いナプキンを探していたシーンも放り投げっぱなしである。ゾンビが屋根裏を好んで壁に土を塗りたくり、スムース・ジャズを聞くと落ち着く理由も分からない。割と肩透かしな部分も多いが、コメディとしては程よく力の抜けた感じになっている。

死んだ恋人が戻ってくるのは嬉しい。しかし、実際的な問題として彼女は臭いのである。身体が腐っていくのだから仕方がない。ゾンビ化の進行に応じて性欲も高まるベスだったが、ザックは「息が臭い」と受け入れることができない。やはり“匂い”は重要なのだ。そこに一種の幼馴染エリカ(アナ・ケンドリック)の登場である。存命の美人の方がいいに決まっている。ベスが生きていてもエリカの方が遥かに美人なのだから。エリカとザックが出会うシーンは、彼女の緩い胸元が素敵だった。ところで、店員が彼女にお金をくれたという描写は何だったのだろう。

対ゾンビ戦闘員として活躍するザックの兄カイルがサイコっぽいところや、ベスに自分の手を食わせる母のシーンが楽しかった。