オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『赤ずきん』

Red Riding Hood, 99min

監督:キャサリン・ハードウィック 出演:アマンダ・セイフライドゲイリー・オールドマン

★★

概要

赤い月の夜に人狼が村を襲う話。

短評

童話の『赤ずきん』とは大きく展開の異なるダーク・ファンタジーである。主演のアマンダ・セイフライドも“ちゃん”付けして呼ぶような年齢の女の子ではない。「アメリカ人にとって狼と言えば人狼のことであり、どうしても恋愛と絡めた話にしたいらしい」と三十郎氏が偏見を抱くような一作だが、なんと監督が『トワイライト~初恋~』の人だった。単純にこの人の性癖なのか。もっとも需要が見込めるから映画化されるわけで、やはりアメリカはケモナー大国なのだ。

あらすじ

満月の夜毎に狼に生け贄(豚)を捧げてきたおかげで二十年間被害の出ていなかった村を悲劇が襲う。ヴァレリーアマンダ・セイフライド)の姉ルーシーが犠牲になってしまう。「狼を殺せ!」と血気盛んな村人たちは見事に狼を仕留めるが、魔物退治の専門家ソロモン神父(ゲイリー・オールドマン)が村にやって来て告げる「それはただの狼で人を襲うのは人狼だ。そして人狼はお前達の中に隠れている」。神父を無視して「とりあえず宴だ!」と騒ぐ村人たちだったが、赤い月の夜に巨大な狼が村を襲う。

感想

ヒロインが一応赤ずきんを身に着けていて(日本語の頭巾よりはマントの感覚に近い)、「おばあさんのお口はどうしてそんなに大きいの?」「お前を食べるためだよ!」の名シーンを無理やり挿入してはいるものの、三十郎氏の知る『赤ずきん』とは完全に別物。ヴァレリーがやんちゃな恋人ピーターと母が婚約を決めた金持ちヘンリーとの間で三角関係を演じている村を人狼が襲うという人狼がいてもいなくても頭の中が桃色に支配された話である。

ヴァレリーの母が「お姉ちゃんはヘンリーのお父さんと浮気してつくった子供なのよ。内緒ね」と告白するシーンは「随分正直だな」と驚いたが、これが犯人探しの伏線になっていた。強引ではあるが必要だったのか。おかげで納得はできるものの、「誰が人狼なのか」に上手く焦点を当てた構成になっていないため、事実が判明するクライマックスは盛り上がりは欠ける。

ヴァレリー、ピーター、ヘンリーの三角関係と言っても、ヴァレリーとピーターは元から付き合っているわけで、彼らの腹は最初から決まっている。気の毒なことにヘンリーは、彼らの恋の炎を激しく燃やすための燃料に過ぎない。宴の夜にピーターは別の女と踊り、それに嫉妬したヴァレリーがセクシーダンス(?)で誘惑。二人は仲直りとばかりに納屋にしけこむ……姿を覗いているポジションがヘンリーである。これは一応寝取られにカテゴライズされるのだろうか。二人がナニをしているのか見たいけれど!でも我慢しろ。この時、彼は新たな性癖に目覚めただろうか。

言ってしまえば人狼もヘンリーと同じような存在に過ぎないわけで、幼少期からのカップルが元鞘に収まるためのどうでもいい話が本編という映画だったのである。童話的な教訓は何だったのだろう。

雪深い村が舞台なので、白い背景に鮮やかな赤いマントがよく映えていた。それを着ているアマンダ・セイフライドも当然綺麗である。三十郎氏は彼女が目当てで本作を観ているので、話が面白くなくても概ね満足している。ヴァレリーの親友で「私を騙しやがって」となじるプルーデンス(ケイシー・ロール)も可愛かった。

赤ずきん (字幕版)

赤ずきん (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video