オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ナイトスクール』

Night School, 111min

監督:マルコム・D・リー 出演:ケヴィン・ハートティファニー・ハディッシュ

★★

概要

高卒認定資格を取るため夜間学校に通う話。

短評

毒にも薬にもならないコメディ映画なのでつまらないわけではないが、素直に楽しかったとも褒められない一作。設定は楽しそうだし、ちゃんと笑えるエピソードもあるが、この手のコメディ映画で110分はやはり長い。90分程度にまとめてテンポよくバカを繰り出していくのが正解だと思う。バカをやる以外でストーリーを進める必要があるのは理解するが、笑っていない時間が長くなるとダメなのである。なんだか勿体ないと感じた。

あらすじ

自分の名前が正しく書けないほどの阿呆高校生のテディ(ケヴィン・ハート)。彼は大学適性試験(字幕がGSATなのだがSATとは違うのか)に臨むも、問題文が踊りだして混乱し、「お前らは学生ローンを抱えてろ!俺は本物の人生で成功するぜ!」と言い残して試験会場から逃亡する。17年後、言葉の通りにセールスマンとして成功を収め、美人キャリアウーマンのリサ(メガリン・エキカンウォーク)と婚約するテディだったが、勤務する店を燃やし、再就職のために高卒認定資格(GED)が必要になる。

感想

入学した夜間学校の校長が、高校時代の同級生であり宿敵でもある乳首が三つのスチュワート。担当教師のキャリー(ティファニー・ハディッシュ)は、それとは知らずに路上で喧嘩を繰り広げた声の大きな女。そして(刑務所の図書室からスカイプで授業を受けるボビーを含む)個性派揃いのクラスメイトたち。正攻法の勉強が上手くいかないので試験問題を盗もうとする。これらの定番ネタはどれも楽しい。問題は、それら全てを映画の中盤までに消化しきってしまったことだろう。それ以降で笑えるのはヘキサゴンでの特訓くらい。終盤は明らかに失速する。お約束のシリアス展開からの大団円は、取って付けたようにちょこっとやるだけで十分なのである。

クラスメイトたちは好きだった。ロボットに仕事を奪われたジェイレンは、ロボットを嫌悪する割にiPadを愛用している(彼の妻は動くディルドを愛用している)。在学中に妊娠して退学した主婦のテレサメアリー・リン・ライスカブ)は、人に気付かれない能力と尻が武器である。ビッグマックことマッケンジー(ロブ・リグル)は、ビッグマックの意味を理解できない阿呆である。メキシコ人のルイスは、働いていたレストランでテディがケーキに陰毛を混入させたために失職している。ドラッグで退学処分をくらったミラ(アン・ウィンターズ)は、セクシーで可愛い。そして刑務所のボビー。彼らのありきたりな個性は、自己紹介の時には楽しくなりそうなのだが、授業中にボビーが囚人から襲撃を受ける時以外にはあまり活かされていなかった。キャリーとテディの喧嘩もストーリーには影響しないが、これは彼女の人格者ぶりを示すエピソードである。

失職中のテディがフライドチキン屋でバイトし、チキンの着ぐるみで客の呼び込みを行っている。フライドチキンは差別アイテムとして知られているが、チキンの着ぐるみは更に上を行く屈辱らしい。彼は黒人の客から「恥を知れ!魂を売るのか!」と罵られている。テディが「お前だってチキン食べただろ!」と返しているように、フライドチキンに関してはどう扱うのが正解なのか分からない。黒人の間でも意見が大きく食い違いそうである。「黒人はフライドチキンが好き」という従来のイメージを嫌う層もいるだろうが、「フライドチキンは我々が作り上げた最高の食文化!」と誇りに思う層もいるだろう。日系アメリカ人も「日本=スシ」のイメージが嫌だったりするのだろうか。

ナイトスクール(字幕版)

ナイトスクール(字幕版)

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