オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『デス・プルーフ in グラインドハウス』

Death Proof, 113min

監督:クエンティン・タランティーノ 出演:カート・ラッセルゾーイ・ベル

★★★

概要

耐死仕様の車で女を殺すスタントマンの話。

短評

二本立ての映画ならば、やはり続けて観なければ。タランティーノの映画的な趣味が爆発しているというよりも性的な趣味が暴発している一作である。脚を組んだ女性の一人称視点OPで映画は幕を開け、前半パートの女性たちはほとんどショートパンツかミニスカート、後半パートはメアリー・エリザベス・ウィンステッドチアリーダー衣装で脚を見せびらかしている。おっぱいは出てこないが、タランティーノにとってはこの方が股間に訴えるのだろう。

あらすじ

美脚で人気を集めるジャングル・ジュリア(シドニー・ターミア・ポワチエシドニー・ポワチエの娘)が女友達と旅しているところに怪しい男の影が迫る。男の名はスタントマン・マイクカート・ラッセル)。彼はカースタント用に改造された“デス・プルーフ”(耐死仕様)の車を使って女性を殺す変態野郎なのである。ジュリアたちは非業の死を遂げる。マイク自身も重傷を負うが、時を経て次の標的を狙う。しかし、今度は相手が悪かった。相手もまたプロのスタントウーマンのゾーイ(ゾーイ・ベル)なのであある。

感想

脚、足、脚。タランティーノは本当に足フェチらしい。それを知ってる観るのと知らずに観るのとでは、大きく意味合いの変化する映画だと思う。一人称、前、横、後ろとあらゆるアングルから足や脚を捉えている。完全に変態の仕事である。三十郎氏はおっぱい派なのだが、リー(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)が前屈みになって太ももの裏側を惜しげなく晒しているショットでは、思わず前屈みになってしまった。たまにはおっぱい以外もいいよね。ちなみに三十郎氏は、脚の部位の中では“ふくらはぎ”が好きである。

マイクがジュリア御一行を惨殺するシーンは執拗なまでのサービス精神である。なんと被害者全員分のショットが用意されていて、立て続けに流れる。ジュリアの美脚がぶっ飛んでしまうのだが、タランティーノは自宅に持ち帰って愛でたのだろうか。

前半は『プラネット・テラー』と同じく状態の悪いフィルムが再現されていて(本作の方が自然だったように思う)、後半は普通に綺麗な映像である。時代の変化を表現したかったのか、それともメアリー・エリザベス・ウィンステッドの脚を綺麗に撮りたかっただけなのか。もうどっちでもいいや。

マイクがバーで食べているナチョスがとても美味しそうである。ビヨ~ンと伸びたチーズをグルグル回してねじ切り、手と口を油まみれにしながら食べる様子が堪らない。マイクでなく美女が食べていたら、これまたフェティッシュなシーンになっていると思う。もしアーリーン(ヴァネッサ・フェルリト)が、あの分厚い唇をテカテカさせながら食べていたら……と想像するだけで身震いする。『イングロリアス・バスターズ』でもそうだったが、タランティーノの描く食べ物は官能的である。

そこまでエロくないはずなのに性的な面ばかりピックアップしているが、ゾーイ・ベルが本職のスタントウーマンとしての実力を遺憾なく発揮している。“シップ・マスト”中に追突されるシーンなんて本当に凄い。タフな彼女たちがマイクを返り討ちにして、痛快な逆襲劇をしている最中に唐突な「THE END」は爆笑ものである。ゾーイ・ベルケイト・ハドソンの顔は似ていると思う。

残念ながら本作には予告編が収録されていない。ロブ・ゾンビの『ナチス親衛隊の狼女』、エドガー・ライトの『Don't/ドント』、イーライ・ロスの『感謝祭』と豪華な陣容である。Youtube等で見ることができるものの、どうして収録しなかったのだろう。『プラネット・テラー』の前には『マチェーテ』の予告編がちゃんとあるのに。『グラインドハウス』のパッケージ版を買ってほしいのか。

プライム・ビデオだと字幕がワンテンポ遅れて出てくる。再生環境の問題かと思ったが、他のレビューにも同じことが書かれているので間違いないらしい。鑑賞の妨げになるというほどではなく、英語の台詞を聞いた後に字幕が出てくるので、英語字幕と同時に聞き取るよりも英語の勉強に適しているのではないかと思う。

デス・プルーフ in グラインドハウス (字幕版)

デス・プルーフ in グラインドハウス (字幕版)

  • 発売日: 2017/06/16
  • メディア: Prime Video