オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ゾンビ・ファイト・クラブ』

屍城(Zombie Fight Club), 95min

監督:ジョー・チェン 出演:アンディ・オン、ジェシカ・キャンベンシー

★★

概要

人間がゾンビと戦わされる話。

短評

台湾製ゾンビ映画。「ファイトクラブ要素どこだよ……」と思いつつ我慢して観ていると、映画全体の三分の二を使用した前振りがようやく終了し、それらしいイベントが始まる映画である。そして、いざ始まってみると本編の方もそれほど面白くない。その上、ようやく始まったファイトクラブもすぐに終了し、ゾンビとは無関係な桃色描写に終始する。完全にタイトル負けで残念な一作だった。

あらすじ

台北のとあるマンション。ドラッグを入手して喜ぶ青年と何人なのかよく分からない恋人のジェニー(ジェシカ・キャンベンシー)。彼らの部屋を訪れる自称“ラップ界のイップマン”とグルーピーたち。ドラッグの売人──の資金を強奪するため私的に特殊部隊を動かす刑事。娘の友人でもある生徒とイケナイ関係を結ぶ教師。ドラッグが原因でゾンビ化する人間たち──のパニックを乗り越えたゾンビ・アポカリプス後の世界で、支配者たちはゾンビと奴隷を戦わせるコロッセオもどきを開催している。

感想

ゾンビ発生のパニック編と一年後のゾンビ・アポカリプス編の二部編成である。その割合は2:1。タイトルにもなっていて本編であるはずの「ファイトクラブ」は後者である。なんだこれ。明らかな構成ミスである。そして、第一部の設定が第二部に活かされることはない。ただ同じ人物が出てくるだけである。おっぱいが見られる以外は丸々無駄な一時間だったということになる。第二部で描かれる階級制度の成立過程を描いた方が面白かったのではないかと思う。

台北の気候が温暖だからなのだろうか。女性たちは皆薄着でやたらとセクシーである。台北への移住を検討したくなるレベルである。グルーピーたちがエロエロなのは分かるとしても、単なる配達員(許維恩/Sharon Hsu)までブラジャーの上にヘソ出しで裾の短いシャツを着ている。なんとも素敵ではないか。もっともゾンビよりもセクシー美女たちの方が印象に残っている時点で、本作はゾンビ映画として失敗している。

ラッパーとの乱交中にゾンビ化するグルーピーたち、お付きのデブを口淫中にゾンビ化して陰茎を噛み切るゾンビ、そのまま裸で活動を続けるゾンビたち。顔色は悪いが桃色なゾンビたち以外にも、悪徳刑事は押し入った部屋の娘ナナ(馮媛甄/Abby Fung)をレイプするし、アポカリプス後も支配階級による女奴隷へのレイプ(されながらパンを食べる逞しさは好き)、女どうしのアレコレ、有能男奴隷に美女(袁嘉敏/Candy Yuen)の報酬と見せかけてのデブスが充てがわれ……と人間たちも桃色だらけである。ゾンビはどこに行った。これではただのエロ映画ではないか(ちょっと嬉しいけれど)。なお、ヒロインは鉄格子で乳首を隠すという鉄壁のガードを見せている。

ゾンビの顔面を右ストレートが貫通するという素敵演出があった。ただ、その返り血がCGなのがいただけない。返り血を浴びた男が顔を手で擦ると血が綺麗サッパリ消えてなくなっている。ゾンビの感染がウイルス性である場合、目も危険なので擦るのはやめよう。お爺ちゃんがチェーンソーでゾンビに立ち向かうシーンがあるが、これも返り血から感染する危険性が高い。

以下残念ポイント。画面の色彩が緑がかっていて、照明の当たり方によっては人間とゾンビの顔色の見分けがつかなかった。特殊メイクの出来が良いシーンもあるが、顔色だけ変えて目が生きているシーンはゾンビっぽくなかった。パニック編で『バイオハザード』的に怪物化したゾンビが出てくるのに、コロッセオでの戦いに出てこないのでは意味がない。

ゾンビ・ファイト・クラブ

ゾンビ・ファイト・クラブ

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