オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ブルーイグアナ 500万ポンドの獲物』

Blue Iguana, 100min

監督:ハディ・ハジェイク 出演:サム・ロックウェル、フィービー・フォックス

★★

概要

ダイヤ強奪犯からダイヤを強奪する話。

短評

メガネっ娘の弁護士が可愛いというのが最大の美点な映画だろうか。アクションとコメディを程々に交えつつ、とにかくダラダラと計画が進行していく。全体の構成やアクション描写は見所と言えるほどではないので、くだらない会話とノリを好きになれるかどうかが本作を楽しめるのかの境界線だろう。良いとは言えないが時間は潰せるタイプの映画である。サム・ロックウェルが、だらしないがキレ者の犯罪者というのは珍しい気がするものの、やはり彼はだらしないだけの方が似合うと思う。

あらすじ

仮釈放中にダイナーで働くエディ(サム・ロックウェル)とポール(ベン・シュワルツ)。彼らの元にロンドンから弁護士のキャサリンフィービー・フォックス)やって来て、一件の強奪を依頼する。二人はなんとか強奪を成功させるものの、品物の受け渡し時に邪魔が入り、キャサリンに報酬も品物も持ち逃げされてしまう。

感想

物語はダイヤモンド“ブルーイグアナ”の強奪を軸に進んでいく──が、それはあまり気にしなくてもいいような話である。キャサリンが標的が経営するパブの向かいの部屋を借りた時は「ここから話が動き出すのか」と犯罪映画的ワクワク感が高まるものの、特に大きな動きもなく監視が続き、その後は無理やり話を動かして結末へ──という展開。緻密な計画やプロットは存在しない。

主人公がコミック好きという描写もあるので、本作は『パルプ・フィクション』の出来損ないといったところだろう。笑えるのか笑えないのか分からない会話やネタの合間に、無駄に豪快で愉快な暴力描写が挿入されている。スローモーションを使用して銃撃戦をスタイリッシュ風にしたのは映画全体の雰囲気と合っていなかったと思うが、クライマックスのトイレでの爆発が「人間ってこんなに沢山の血が流れてるんだ……」という量の流血だったのは好きだった。

わざわざロンドンからアメリカまで犯罪の依頼にやって来たメガネっ娘弁護士のキャサリン。彼女が弁護士であるという設定は、必要だったのかどうか分からないくらいに活きてこない。彼女は、シリアルを食べる時には口の周りに牛乳をつけ、パンを食べれば食べかすが、口を大きく膨らませて頬張り……といった具合にがさつな感じがなんだかキュートである。そしてよく食べる(ロビーで食べてたパン二つは大き過ぎて三十郎氏でも完食できそうにない)。そこが本作最大の萌えポイントであった。途中と最後にメガネを外し、服装もオシャレになるものの、メガネをかけて地味なままでも十分に可愛かったと思う。彼女とエディのロマンスはどうしようもなくチープだったが、カフェでエディが見惚れる美人客に嫉妬するシーンだけは良かった。

ポールがバー店員のエロ熟女と交わるエピソードが、ちゃんと伏線になっていたのは良かった。そうでなければ、(情事は映らなくても)ただ気味が悪いだけである。