オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『プロムナイト』

Prom Night, 92min

監督:ポール・リンチ 出演:ジェイミー・リー・カーティスレスリー・ニールセン

★★

概要

プロムの夜に殺人鬼が現れる話。

短評

計四作品のシリーズ化され(5は邦題詐欺?)、2008年にはリメイクもされた人気作とのことである。「そこまで面白いか?」と疑問に思うものの、三十郎氏にはプロムという題材そのものが縁遠いこともあって何とも言い難い。舞台がプロムの夜である必要性はあるようなないような話なのだが、プロムではしゃぐ若者たちが殺される様子がホラー映画の定石過ぎて、逆に笑えるところは好きだった。

あらすじ

廃墟で遊ぶ子供たち。「殺人鬼が来たぞ!殺せ!殺せ!」と叫びながらの鬼ごっこは、子供の遊びらしからぬ不穏さである。一人の少女が追い詰められて転落するものの、ボス格の少女の「私たちだけの秘密にしときましょう」という鶴の一声により放置され、少女はそのまま死亡してしまう。それから六年後、プロムの日であり少女の命日でもある日に、事件に関わった少年少女の元に謎の電話が掛かってくる。

感想

怪しい人物を何人か登場させる匂わせ描写はあるものの、冒頭のシーンから犯人の目的は確定的である。用務員の男なんて、女子高生にいきなり尻を見せられれば誰だって挙動不審になる。動機もないのにそれだけで容疑者の一人として扱われるのは気の毒である(女子高生の生尻を見られた幸福により相殺されるか。他にも尻を狙って映すシーンがあり、監督は間違いなく尻派の人である)。犯人が分かっている上に、犠牲者を追い詰める描写も対ウェンディ戦以外はあっさりしているので、プロムの部分は怖くない。犯人とは無関係にダンスしたりイチャついたりするシーンが延々と流れている(この間に恐怖を煽る様子はない)。どちらかと言えば、廃墟で少女ロビンが追い詰められるシーンの方が怖いくらいである。

ホラー映画において最初に殺されるのはイチャつくカップルと相場が決まっている。本作でも、更衣室で事に及びかけた女が上の服は脱いでも下半身には触らせず(やたらとペロペロやってて妙に生々しい)、男に「お姫様のつもりかよ」と立ち去られて、一人になったところを襲撃される。これが一人目の犠牲者である。そして、二人目の犠牲者も事に及んだ女である。当日の朝に知り合った男と車で初体験を済ませ、森の中で青姦に臨もうとするも物音が気になって車に戻ったところをグサリ。犯人はなんという嗅覚の持ち主だろうか。二人連続だと復讐ではなく覗きが目的ではないのかという気さえしてくる。美味しい部分が終わるまで待っている辺りにもジョニーの意思が見え隠れしている。これはプロム・マジックと言ってよいだろうか。

ホラー映画的な犠牲者を出現させやすい状況がプロムという舞台設定の肝な気がするが、一応は「少女が生きていれば高三でプロムに出られたのに」というのがメインである。主人公キム(ジェイミー・リー・カーティス)はロビンの姉なのだが、彼女はプロムクイーンである。年齢設定がおかしくないか。それとも字幕のミスなのか。ともかく彼女は女子高生には見えず、登場時には女教師ではないかと勘違いした。調べてみると当時二十歳そこそこで、女子高生を演じられない年齢というわけではなく、なんだか申し訳なくなった。

犯人の間抜けぶりも見どころである。二人目の殺害後に彼氏のデブ男と死闘を繰り広げるシーンも滑稽なのだが、三人目の襲撃時に斧を振り下ろすもかわされ、逃げた相手を追いかけようとするも思い直して斧を取りに戻るシーンは最高に笑える。四人目は人違いで他人を殺すへっぽこぶりである。思い返してみれば、朝の電話の口調からして「お姉ちゃん、何色のパンツはいてるの?」と言い出しそうな変態感があって笑えたのであった。

ドライブインの店員の露出度が凄かった。近所にあれば毎日でも通いたい。

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