オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『キョンシー・キッド 霊冥道士1』

好水的下一括(Kid's Ace in the Hole/Fighting Ace/Kung Fu Ace), 94min

監督:チュング・チ・チュー 出演:ジョン・ロウ、ルン・カン・イー

概要

両親の仇を討つためにカンフー修行する話。

短評

キョンシー詐欺である。キョンシーは序盤にちょろっと出てくるだけで、決してその名を冠するような内容ではない。主人公がひたすらカンフー修行に明け暮れているだけである。動き自体は頑張っているものの、延々と同じような画面が繰り返されるだけなので、Z級サメ映画同様に時の迷宮に迷い込んだ感のある一作だった。

あらすじ

悪い男に両親を殺されてしまったチンカウ少年。彼は仇討ちのため、カンフーの師匠に弟子入りして修行に励む。ある晩、彼が立ち小便をしていると、背後からキョンシー・キッドが現れて「あのババアは永遠の若さを手に入れるために魂を奪うつもりだぞ」と告げる。キョンシー・キッドの助けを得たチンカウ少年は、邪悪な師匠の元から脱出するのだった。

感想

というのが第一幕で、それ以降キョンシーの出番は一切ない。出てくる気配すらないので、何に期待して残りの時間をやり過ごせばよいのか分からない。これは大変に辛い。

調べてみたところ、1979年の台湾映画『好水的下一括』に、冒頭のキョンシー関連のシーンを後付けしたという事情があるらしい。それならキョンシーの出番が少ないのも納得!……とはならない。一体全体どのような“事情”があって、キョンシーを後付けするという“事情”が生じてしまったのか。解せない。そもそもこの“事情”とやらは本当なのか。全てが謎である。邦題は『霊冥道士1』とナンバリングされているが、続編があるのか、少なくとも構想があったのかも謎である。

本作は英語吹替版なのだが、邪悪な師匠の顔がおっさんなのに声が女性である。「これは可怪しい」と思っていたら、字幕でもキョンシー・キッドに「婆バア」呼ばわりされていて、女性であったことが発覚する。果たして本当はどちらなのか。これも謎である。

キョンシー終了後は、大人になったチンカウが師匠をとっかえひっかえしながら、ひたすらカンフー修行している。何人かの師匠を経て弟子入りした道場の主が件の悪人というオチである。これを数奇な運命と見るか、それとも主人公にカンフーさせる以外の演出を思い付かなかった制作側の都合と見るか。三十郎氏は後者である。

ほぼ全編に渡ってチンカウのカンフーを見続けることになるのだが、どうも動きが硬かったような気がする。キレはそれなりだが、しなやかさやノビに欠ける。また、動きと動きとの間に妙な間があり、(全てのアクション映画がそうではあるものの)「事前に決められた手順通りに動いています」感が強かった。キョンシーもダメ、カンフーもイマイチ、ストーリーはあってないようなもの。壊滅的である。

キョンシー・キッドに追いかけられるチンカウ少年がズボンを下げたままなので、画質が良ければ児童ポルノになっているのではないかと思う。

プライム・ビデオで観られるキョンシー映画は、これで観終わったのではないかと思う。基本的にはゾンビと同じで、細かい設定には拘らず便利に使われている印象を受けた。

キョンシー・キッド

キョンシー・キッド

  • 発売日: 2017/07/01
  • メディア: Prime Video