オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『霊幻道士 こちらキョンシー退治局』

救殭清道夫(Vampire Cleanup Department), 93min

監督:ヤン・パク・ウィン、チウ・シン・ハン 出演:ベイビージョン・チョイ、リン・ミンチェン

★★

概要

童貞青年と美少女キョンシーのロマンス。

短評

「なんでも美少女化、萌キャラ化してしまおう」という潮流は日本の二次元界隈だけのものではないらしい。本作に登場するキョンシーは美少女である。可愛いのである。あのピョンピョンもウサギのそれように絶妙に愛らしく感じる。可愛いキョンシーが見られるという一点においては楽しいのだが、それは同時に“キョンシーが可愛いだけ”の映画であることを意味している。内容的には、萌えアニメの実写化と十代の少女向けラブコメのハイブリッドといった感じだった。

あらすじ

香港の清掃局には秘密の仕事がある。彼らは夜な夜な街に繰り出し、キョンシーを退治するVCD(Vampire Cleanup Department)として活動しているのである。キョンシーに襲われているところをVCDに救助されたチョンティンは、キョンシーに噛まれてもキョンシー化しなかった身体の特性を見込まれてスカウトされる。赤い月の夜、湖にキョンシーが出現したとの一報を受けて出動するVCD。キョンシーに水中に引きずり込まれて唇を奪われたチョンティンは……何も起こらず、キョンシーが元の美少女の姿に戻ったのであった。

感想

キョンシーは成り立ちに呪術的要素が関係しているため、ゾンビとは違い必ずしも身体が朽ちているわけではない。そのメリットを最大限に活用した一作ということになる。本作は美少女の姿を取り戻した1800年生まれのシウハーちゃんに萌えるだけの映画なので、彼女の可愛さについて書いておきたい。

チョンティンとシウハーちゃんのコミュニケーションは、火葬の直前にお札が剥がれて動き出したシウハーちゃんが、チョンティンの動きを真似るというものから始まる。この時点で猛烈にあざといですね。可愛くないはずがないですね。脳が溶けそうですね。

シウハーちゃんには地主の埋葬の際にお供として生き埋めにされたという悲しい過去があり、彼女は閉所恐怖症である。チョンティンは家についてきてしまったシウハーちゃんを箪笥に閉じ込めておこうとするも、ガタガタするので出してあげた時の表情が何とも言えない。童貞の繊細なハートを鷲掴みである。

この二つだけで既に三十郎氏はシウハーちゃんの可愛さにやられてしまっている。そこから先は完全にシウハーちゃん劇場である。粥のトッピングの猪紅(血のゼリー)に反応するので食べさせてみたり、ピョンピョンがうるさいのでセグウェイの足だけみたいなやつに乗せてみたり。グッドサイン等のジェスチャーも覚えてコミュニケーションの幅も広がっていく。そして極めつけは断髪である。伸び放題になっていた髪を現代的なショートカットに。黒髪の乙女の完成である。三十郎氏はこの手のイメチェンに超絶弱い。服の着替え時に布を張って見えないようにするチョンティンの童貞的紳士性が素敵だった。

超可愛いシウハーちゃんが徐々に人間性を取り戻していき、彼女はピョンピョンを止めて歩こうとするに至る。これは三十郎氏の男性的な支配欲の発露なのではないかという気もするが、ピョンピョンだけは最後まで止めないでほしかった。あざとさは残しておいてほしいのである。

とにかくシウハーちゃんが可愛かった。それだけの映画なのだが、それだけは大事なので強調しておきたい。リン・ミンチェンに出会えてよかった。

チョンティンのベッド周辺のポスター等にボカしがかかっている。版権の都合なのか、それとも童貞のプライバシーに配慮したのか。

OPとEDに使われている音楽が、ガイ・リッチー版『シャーロック・ホームズ』の丸パクリなのが気になった。

霊幻道士 こちらキョンシー退治局(字幕版)

霊幻道士 こちらキョンシー退治局(字幕版)

  • 発売日: 2017/08/23
  • メディア: Prime Video