オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『PANDEMIC パンデミック』

Pandemic, 91min

監督:ジョン・スーツ 出演:レイチェル・ニコルズアルフィー・アレン

★★

概要

新型ウイルスの蔓延により壊滅した世界で娘の待つ家を目指す話。

短評

流行に乗ってみようと思う。昨夏の台風の夜に同じことをしたように、三十郎氏はくだらない思いつきに抗えない男なのである。どうせならば『アウトブレイク』や『コンテイジョン』のように視聴済みの映画を観るよりも、タイトルを聞いたこともないような映画を観る方が、“未知のウイルスに立ち向かう”感があって良い(それは未知のウイルスと同じく危険である)。映画本編は、感染の恐怖を描くパンデミックものではなく、95%くらいがゾンビ映画であった。期待したものとは全く違ったが、それはそれで見れなくもない出来だった。

あらすじ

ファイラ・ウイルスが蔓延し、世界は壊滅状態に。ウイルス感染の第一段階では風邪と同じ症状だが、第二段階で出血を起こし、第三段階で錯乱が始まる。第四段階での休眠の後に(この段階で殺処分)、第五段階では脳の損傷により凶暴化する。医師のローレン(レイチェル・ニコルズ)は、非感染者救出のため、凶暴化した感染者が跋扈する街へ救助チーム314部隊と共に出動する。

感想

三十郎氏がタイトルを聞いたこともなかったと言っても、レイチェル・ニコルズのように名前を知っている美女が主演していて、GOTのシオン・グレイジョイ役でお馴染みのアルフィー・アレンも出演しているとなれば、それなりにまともな映画である。映像の大部分は防護ヘルメットに搭載されたカメラが記録したPOV方式でありながら(GoProのように明るい場所での画質は良いが、暗所はザラついている)、それなりに見やすさが確保されている。また、救助隊のメンバーそれぞれにカメラがあるのでアングルも複数となり、編集による見やすさも得られる。ただ、「そこにカメラないよね?」という場所からの映像もある辺りはB級映画的な雑さだろうか。

序盤に感染による症状を説明してくれはするものの、登場する感染者のほとんどは第五段階である。彼らはほぼゾンビである。この感染者に理性が残っているのかどうかは微妙なところ。殺されそうになると「助けて」と話す者が人肉を食べたりもすれば、地底人のような怪物と化した者もいて、他には罠を使いこなす者もいる。これは第三段階と第五段階の差異だと思うが、描き分けには失敗していた。「パンデミック」という言葉がタイトルにあるとウイルスが主役の映画のようだが、実際にはウイルスの設定は細かく考えないまま、ゾンビ映画的なことのできる状況だけを用意してしまったのだと思う。

他には、簡易検査キットで感染の有無を調べられるため、そもそも医師が現場に向かう必要がないというのが、映画の根本的な欠陥だろうか。

ストーリーや設定は明らかに難有りなのだが、ゾンビ(ではないけれど面倒だからゾンビで)との戦いがPOVのおかげでテレビゲームっぽさがあり、絶妙にサクサク倒せるのが楽しい。また、外見が完全にはゾンビ化していない人間を対ゾンビ戦と同じく遠慮なしに殺し放題というのも、戦争映画以外では物珍しさがある。人間を殺すことについてはもう少し躊躇いを感じていただきたいところだが、第五段階との遭遇が初めてであるローレンですらガンガン殺している辺りに雑さと振り切れ感の両方を感じる。

ローレン役のレイチェル・ニコルズも終盤の胸元の緩さが素敵な美人だったが、娘メーガン役のダニエル・ローズ・ラッセルも可愛かったので、もう少し出番が欲しかった。

PANDEMIC パンデミック(字幕版)

PANDEMIC パンデミック(字幕版)

  • 発売日: 2016/06/22
  • メディア: Prime Video