オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『リグレッション』

Regression, 106min

監督:アレハンドロ・アメナーバル 出演:イーサン・ホークエマ・ワトソン

★★

概要

虐待事件と悪魔崇拝催眠療法

短評

2015年に三十郎氏がバンコクで観た映画の内の一つである。「日本でレンタルが始まったらもう一度観よう」と思っていたら、日本での劇場公開が遅れに遅れて、なんと2018年。そのまま忘れていたところでプライム・ビデオに追加されて思い出した。大まかな流れは当時の三十郎氏が理解していた通りで、細部については分からないままの方が不気味な雰囲気を楽しめるのではないという内容だった。統計に触れたことのある人なら「回帰」と訳したくなるregressionは、「退行」という意味。

あらすじ

1990年。ジョン・グレイ(デヴィッド・デンシック)が、娘アンジェラ(エマ・ワトソン)から虐待の告発を受ける。ジョンは罪を認めるものの、彼には虐待の記憶がない。事件を捜査する刑事ブルース・ケナー(イーサン・ホーク)は、心理学者のレインズ教授(デヴィッド・シューリス)の助力を得て、催眠療法でジョンの記憶を探ろうとする。そこから浮かび上がってきたのは、悪魔崇拝の儀式であった。

感想

三十郎氏が確認したかったのは、自身の理解が正しかったのかどうかでもなければ、物語の細部でもない。エマ・ワトソンのおっぱいが見えるのかどうかである。本作はエマ・ワトソンがトップレスを披露した一作として界隈で知られている。55:40辺りから始まるブルースとアンジェラが交わるシーンである。

見えなかった。微妙に見えなかった。そもそも本人が脱いでいると言われても、該当シーンではカメラに背中を向けていて、少し見えるお尻の割れ目すら本人のものなのか怪しい(なお、形の良いプリ尻である)。おっぱいについては、斜め後ろからのアングルで見えたのか見えなかったのかよく分からない。顔とセットじゃないので「これは見えてるんだ!」と自身を無理やり奮い立たせることもできない。その上、直後のシーンで老婆のシワシワおっぱいがチラ見えして激萎えである。そんな中途半端のことをしているから、いつまでたってもハーマイオニーの良い子ちゃんイメージから抜け出せないのだ。

1980年代以降のアメリカを席巻した悪魔崇拝の実話に着想を得たという物語は、落とし所としては納得がいくものの、映画としては「今までの何だったの……」的な肩透かし感がある。悪魔崇拝の方はオチはそれでいいとしても、虐待事件のオチは予想通り過ぎて、ちょっとなぁ……。

エマ・ワトソンがもう一歩踏み出せなかったという以外に、本作は主人公ブルースの描き方にも失敗していると思う。彼が熱血刑事として事件にのめり込むのは構わないが、悪魔崇拝の影響を受ける過程はもう少し丁寧に描写すべきだっただろう。中盤以降に悪魔崇拝の存在を信じるのは話の流れとして自然だとしても、その前段階である導入部から軟弱な精神を披露しすぎである。この辺りは時代性を考慮すべきなのか。しかし、それだと周囲の刑事たちとの整合性が取れない。それにしても彼は儚げな美少女を前にして溜め込んだリビドーがほとばしりすぎだと思う。

悪魔崇拝者たちによる赤ん坊殺しなどの儀式の描写は、その瞬間を映していないので抑えた仕上がりになっていた。基本的には静かな映画である。

本作における本当の「純粋な邪悪」は、人間の悪意ではなくアルコールだろう。全ての元凶である。酒は飲んでも飲まれるな。なお、本作は品薄商法に釣られて買った檸檬堂の鬼レモン(山口製)を飲みながら映画を観た。確かに美味しかったです。でも飲酒は控えようと思います。

リグレッション(字幕版)

リグレッション(字幕版)

  • 発売日: 2019/01/16
  • メディア: Prime Video