オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『スパルタンX』

快餐車(Wheels on Meals), 108min

監督:サモ・ハン・キンポー 出演:ジャッキー・チェン、ユン・ピョウ

★★★

概要

ジャッキーがスペインでフードトラックを営業する話。

短評

ジャッキー・チェンサモ・ハン・キンポー、ユン・ピョウの“三銃士”がスペインで暴れる映画である。暴れると言ってもアクションは割と控えめであり、大掛かりなものは宙を舞うフードトラックくらいのもの。基本的にはほぼ全編がユルいノリのコメディである。海外ロケだと撮影許可の他にも人的、物的両方の制約が大きいのだろうか。海外でカンフーをやるためだけのような話だが、ラストバトルではそれまでと一転して迫力ある真剣勝負が楽しめる。

あらすじ

バルセロナでフードトラックを営業しているトーマス(ジャッキー・チェン)とデヴィッド(ユン・ピョウ)。彼らが夜の営業をしていると、デヴィッドの父の恋人の娘シルヴィア(ローラ・フォルネル)が男に追われて逃げ込んでくる。美しい彼女はスリなのである。デヴィッドとトーマスが三角関係を演じている傍らで、彼らの友人で探偵事務所の所長代理モビー(サモ・ハン・キンポー)が探している女性はシルヴィアの母グロリアなのである。

感想

ジャッキーは器用な人である。フードトラックの営業と言っても彼が調理する姿は見られない。ご飯もそれほど美味しそうではない。代わりにジャッキーがスケボーに乗って注文取りと配達を行う姿が見られる。この動きがスマートで格好いい。ひょいっと屈んで人を避けたりするちょっとした動きがコミカルで実に良い。ジャッキーは本当に何でも利用して見せ場を作ってしまう人なのである。

ラストの一対一の格闘戦は圧巻。正直に言えばアクションに関しては物足りなさを覚える一作なのだが、それまで牧歌的な雰囲気を吹き飛ばすかのようなキレのある戦いが見られる。相手役を務めるベニー・ユキーデは本職のキックボクサーだったらしく、正に好敵手である。格闘シーンでも常に椅子や机といった周囲にあるものを利用することが多いジャッキーだが、このラストバトルでは肉弾戦に徹しているのが新鮮である。

シルヴィアが泥棒よりも娼婦と呼ばれるのを嫌がるという価値観が面白かった。(スペインの法律は知らないけれど)娼婦は犯罪者ではないのに。もっともこれは脚本を書いた香港側の価値観が反映された台詞なのだろうけれど。

ところで、このシルヴィアを演じるローラ・フォルネルがとっても美人である。ジャッキーたちが鼻の下を伸ばしている内に金を盗まれるのも無理はない。三十郎氏が「どっちが先に私と寝るの?」と尋ねられれば、彼らのように紳士としての対面を保つことは叶うまい。彼女は『プロジェクトA』にも総督の娘として出演している。出ていたような出ていないような……。少なくとも本作のように大きな役ではない。『サンダーアーム』にも出ているようなので、観る時には覚えておきたい。

エンディングにNG集がなかったのは残念だった。

英題の『Wheels on Meals』は「Wheels」と「Meals」が逆なのではないかと思ったら、Wikipediaに事情が書いてあった。ゴールデン・ハーベスト社の『Menage a Trios』がコケたばかりだったので、同じ「M」から始まるタイトルを嫌ったそうである。香港人はどうでもよいことに拘るのだな。ところで、邦題の「スパルタン」はどこからやって来たのだろう。

スパルタンX (字幕版)

スパルタンX (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 
スパルタンX(吹替版)

スパルタンX(吹替版)

  • 発売日: 2018/11/07
  • メディア: Prime Video