オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『クリフハンガー』

Cliffhanger, 112min

監督:レニー・ハーリン 出演:シルヴェスター・スタローンマイケル・ルーカー

★★★

概要

スタローンが雪山で遭難したテロリストと札束を探す話。

短評

タマヒュン連発な山岳アクション映画。 冒頭でスタローンがロッククライミングしているシーンだけでも縮み上がる。どうしてあんな危険な行為をしようと思うのか。脳の危険を感知する部位が死んでいるのか。他にも飛んだり、ぶら下がったり、登ったりと、雄大な自然を背景に、ちっぽけなスタローンが孤軍奮闘する(雪山なのに)熱い映画である。テロリストが間抜過ぎたりと脚本は難有りだが、見所が短所を圧倒するおかげで楽しめる。悪役顔のマイケル・ルーカーは仲間役。

あらすじ

ゲイブ(シルヴェスター・スタローン)が、崖の頂上で立ち往生した親友ハル(マイケル・ルーカー)と、ハルの恋人サラの救助へ向かう。しかし、サラは救助中の事故により命を落としてしまう。そのことを悔やんで現場を離れたゲイブだったが、事故から八ヶ月後に寄せられた救難要請にハルが一人で向かうを見て、思わず現場に復帰する。しかし、それは現金を強奪したテロリストからの罠だった。

感想

転落死したサラは登山の初心者ということだったが(そのせいか移動にもたつく間に転落する)、あの崖はどう見ても初心者が登れるものではないし、登ろうと思えるものでもない。ハルはサラの死についてゲイブを責めているが、あの状況でゲイブに責任はないだろうに。道具の確認を怠ったのが原因である。どちらかと言えばハルの方に責任がある。ついでに言えば、あんな場所にサラを連れて行ったハルにこそ責任がある。

現金強奪のシークエンスこそ凄いものの、テロリストたちは間抜けである。雪山で銃を乱射してセルフ雪崩を発生させたり、お金をどんどん失っていったりと、一度計画が狂った後は一度も軌道修正に成功していない。スタローンは決死のアクションで頑張っているが、ストーリーはこんな感じなので、適宜ツッコミを入れつつ楽しむとよいかと思う。山中なのに明らかに月明かりでない夜間照明や、そのおかげでとても明るいのに暗視スコープを使用しているのも楽しみの内である。

アクションに関して、その後の映画に与えた影響の大きい一作なのではないかと思う。ハイジャック犯が二機の飛行機を連結して人とケースを移動させるシーンは、『ダークナイト ライジング』を思い出させる。本作は1993年の作品なのに2012年の作品に負けず劣らずな迫力というのは凄い。クライマックスの断崖絶壁とヘリコプターの組み合わせは、『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』を思い出させる。爆発芸のイメージが強いレニー・ハーリンだが(本作でも当然爆発はある)、それだけの人ではない。

札束を燃やして暖を取るという行為は、ハイパーインフレを起こしたらやってみたいことのベスト2である(1位は札束風呂。痛そうだし、下手するとデリケートな箇所の皮膚が切れそうなので、パンツは履いておく方がいいかもしれない)。しかし、紙はすぐに燃え尽きてしまうので、薪に火を点ける際の種火にしかならないのではないかと思う。そもそもハルが人質に取られているのに燃やしてよかったのか。いや、ゲイブもやってみたかったんだな。分かるよ、その気持ち。

洞窟でコウモリに襲われているシーンがあった。『世にも奇妙な人体実験の歴史』にも書いてあったのだが、エボラ出血熱をはじめとする未知のヤバい病気は、だいたいコウモリを媒介しているそうである。たしか『コンテイジョン』のオチもそうだった。コウモリは見た目以上に怖いのである。その事実を知れば、ブルース少年のトラウマも理解できるだろう。彼もコウモリの襲撃を受けた結果おかしな病気を罹患し、脳の一部が壊れて、危険中毒の道楽おじさんになってしまったのだ。

地元の阿呆二人組の内の一人を襲撃していた狼風の犬だが、あれは可愛いシベリアン・ハスキーだろう。

クリフハンガー (字幕版)

クリフハンガー (字幕版)

  • 発売日: 2014/11/01
  • メディア: Prime Video