オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『トータル・リコール』

Total Recall, 113min

監督:ポール・バーホーベン 出演:アーノルド・シュワルツェネッガーシャロン・ストーン

他:アカデミー賞特別業績賞

★★★★

概要

シュワちゃんが火星で暴れる話。

短評

シュワちゃん主演の懐かしい方である。リメイク版の感想はこちら。三つのおっぱいと顔が割れるおばさんくらいしか覚えていなかったのだが、思っていた以上にとても楽しかった。純SF的な設定なのにド派手なアクション映画で、アクション映画なのにスプラッター並の人体破壊と流血である。やり過ぎ。ポール・バーホーベンは素晴らしい変態と言って差し支えなかろう。

あらすじ

ダグラス・クエイド(アーノルド・シュワルツェネッガー)は、美しいブロンド妻ローリー(シャロン・ストーン)がいるにも関わらず、毎晩ブルネット女(レイチェル・ティコティン)の夢を見ては「自分には他にやる事があるような気がする……」とこぼしている。ある日、彼はリコール社(綴りはREKALL)に赴いて火星旅行の記憶を購入するが、記憶の植え付けに失敗して暴れ出し、命を狙われることになる。

感想

三つのおっぱい(リシア・ナフ)は、本物二つの中間に作り物をくっつけているのではなく、三つ全てが作り物だった。少し残念である。しかし、考えてみれば本物の間に一つだけ偽物を配置すれば違和感があるだろうし、相当な離れ乳でなければ実現し得ないので、それはそれで残念ということになる。作り物と言えば、顔が割れるおばさんの中から登場するシュワちゃんの顔も作り物だった。特撮の技術的な理由があるのだろうか。

この特に印象的な二つは分かりやすい作り物だったのだが、明らかに作り物なはずのクアトーの動きが滑らかで驚いた。どういう仕組みで動かしているのだろう。まさか小人が中に入っているわけでもないだろう。クアトーを筆頭に特殊メイクの出来が素晴らしく、おっぱいが硬そうなことを除けば、ミュータントたちの顔のグロテスクさは癖になるものがある。そのグロテスクさを殊更に強調することなく、自然に存在させている描き方も上手い。

それとは対象的に人体破壊はグロテスクさが強調されており、目が飛び出してくる悪夢的なシーンはトラウマになりそうだった。少年時代の三十郎氏もこれを喜んで観たのだろうか。それとも怖がったのだろうか。

ラストシーンが強烈である。火星の空が青く晴れ渡って気圧までもが一瞬で変化するなどという無茶苦茶な大団円をどうやって思い付いたのだろう。破裂しそうになった人体が綺麗に戻っているのも凄い。これは確かに「全てが夢だった」という解釈が出てくるはずである。

派手なアクションや気合の入ったグロ描写以外にも、細かなSF的描写も気が利いている。壁に内蔵されたテレビのスクリーンや、エマネーターを思い出させる持ち運び式のホログラム照射機(『最後のジェダイ』のルークの元ネタはこれか)、透視タイプのセキュリティ検査の風景、ドロイド運転手のタクシーに至るまで、ありえそうな近未来が魅力的である。ワンタッチで色を変えられるネイルが登場すれば女性は嬉しいだろう。かなりの失業者が出そうだが、業界組合の影響力は大きくなさそう。

苦痛に悶えるシュワちゃんの顔芸も魅力的だったが、走行中の電車に飛び乗るシーンが良かった。これ自体はよく見かけるシーンなのだが、シュワちゃんは窓を叩き割って飛び乗っている。この合せ技は珍しい。銃があるのにパンチで叩き割る。乗客に被害を出さない素晴らしき脳筋である。

トータル・リコール (字幕版)

トータル・リコール (字幕版)

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