オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『北斗の拳』

Fist of the North Star, 92min

監督:トニー・ランデル 出演:ゲイリー・ダニエルズマルコム・マクダウェル

★★

概要

終末世界の三角関係。

短評

思いがけず発見して、観ずにはいられなくなった珍作映画である。しかし、残念なことに三十郎氏は本家『北斗の拳』のことをよく知らない。漫画も読んでいないしアニメも見ていない。学生時代にスロットで敗北した苦い思い出があるくらいである。従って、原作からの変化にツッコむという本来の(?)楽しみ方ができない。どこにツッコむべきなのか分からない。これは失敗であった。それができなければ、『マッドマックス2』の世界にブルース・リーを放り込んだショボいアクション映画でしかなかった。

あらすじ

核戦争により荒廃し、恐怖が支配する混沌とした世界。皇帝シンにより父(マルコム・マクダウェル)を射殺され、更に恋人ユリア(鷲尾いさ子)までもを強奪され、一人荒野を彷徨うケンシロウゲイリー・ダニエルズ)。彼がヒャッハー!軍団から町を守り、再びシンと戦う話である。

感想

吹替版しか配信されていないので観ようか悩んだのだが、この手の映画は吹替版こそが正当な視聴形態という気がしなくもない。それくらいの安っぽさである。ただ、英語版での決め台詞や怪鳥音がどうなっているのかも気になるところである。いかつい白人が「あちょー!」「ほわちゃっ!」と甲高い声で叫ぶ姿は違和感が凄まじく、あれはブルース・リーにのみ許された専売特許なのだと確信した。

「お前はもう死んでいる」の前に「あたたたたたたた」と攻撃するシーン。漫画だと一コマで終了する一瞬の出来事なのだろうが、映像にすると結構時間が掛かっている。それだけでも間抜けに見えるのだが、より酷いのはペチペチと軽くタッチしているようにしか見えない圧の弱さだろう。早送りで一瞬の出来事に変化させても間抜けなままだろうし、スローモーションにして強く打っている感じを出すのが正解なのではないかと思う。

廃墟のセットは終末感がよく出ていて好きだった。『マッドマックス2』とブルース・リーをパクればいいだけなので、実写化向きの題材である。ただ、低予算故に舞台の“狭さ”を感じさせ、皇帝シンに「新世界の云々」と言われてもピンとこなかった。シンはケンシロウから力ずくでユリアを奪った割には無理やり手を出さず、「お前が必要なんだ」と口説く紳士であった。もしかすると童貞なのかもしれない。ところで、ユリアはどうしてあそこまで求められているのだろう。初見に親切な説明はなかったように思う。元盲目の少女リンの叫び声にも何か特殊設定があるのだろうか。北斗神拳南斗聖拳が何のことなのかもよく分からなかった。

細かい設定はよく分からないまま終わったのだが、冒頭で世界観を全てナレーションで説明するのは漫画やアニメらしい演出だと感じた。

本作はハリウッド版『北斗の拳』なのだが、製作費を出しているのは東映らしいので、ハリウッドで制作された日本映画と呼ぶのが正しいのかもしれない。監督のトニー・ランデルは1984年版の『ゴジラ』を再編集した『ゴジラ 1985』にも関わった日本のサブカルに縁のある人である。彼が監督した『ヘルレイザー2』で学んできたのではないかと思われる人体破壊の特撮は流石ハリウッドと言うべきか。

ところでラオウが出てこなかったのだが、ケンシロウの最大のライバルってラオウじゃなかったの?シンって誰だよ。ハート様サウザーも、三十郎氏が名前を知っているキャラクターが出てこなかったのが残念である。

北斗の拳(吹替版)

北斗の拳(吹替版)

  • 発売日: 2019/11/29
  • メディア: Prime Video