オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『アンロック/陰謀のコード』

Unlocked, 98min

監督:マイケル・アプテッド 出演:ノオミ・ラパスオーランド・ブルーム

★★★

概要

現場を退いたCIAの尋問官がバイオテロを防ぐ話。

短評

ノオミ・ラパス主演のスパイ的なアクション映画。ノオミ・ラパスは尋問官なのでスパイではないが、活躍の内容がスパイ的なので映画もスパイ映画的である。「一体スパイってなんだろう?」と疑問に感じたとしても、それは本作のせいではなく、アクション映画の有名スパイたちが全く身を隠さずに派手な活躍をしているのが原因である。そこに引っ張られて本作もスパイ映画的ということになる。色々と雑な部分も多いが、その辺は割り切って楽しめた。

あらすじ

アリス(ノオミ・ラパス)はかつてCIAの尋問官として働いていたが、パリでのテロを防げなかったことを悔やんで現場を退き、今はロンドンでケースワーカーとして働いている。と言っても、CIA時代の上司ラッシュ(マイケル・ダグラス)やMI-5のエミリー(トニ・コレット)と連絡を取り合っているという、よく分からない立場の主人公である。ある日、CIAのロンドン支局に呼び出されて尋問をしていると、CIAの欧州支局から電話が掛かってきて同じ内容の仕事を依頼される。つまり、これは罠である。

感想

オーランド・ブルームは髪を伸ばして小汚くするとルーク・エヴァンスに似ている気がする。『ホビット』での共演時は小綺麗なエルフ役だったので気付かなかった。彼が演じる泥棒ジャックと協力する展開は「やっすいB級映画だなあ」と思ったのだが、都合の良すぎる登場人物には裏があるという設定は良かった。彼以外にもポンポンと裏切り者が続出してくれるので、スピーディーで退屈しない映画である。

アリスは尋問官ということなのだが、スパイ顔負けの戦闘能力である。二丁拳銃でバンバンやる姿が勇ましく、このシーンで「この映画はスリラーじゃなくてアクションなんだな」と気付くことができる。親切設計である。従って、上述のスピーディーな展開も、結末に向けてじっくり話が進むような映画ではないのだと早い段階で受け入れて楽しむことができた。

アリスが公園のうんていに脚を掛けて腹筋をイジメているからと言って、『バイオハザード』のアリスのようにアクション一辺倒というわけではなく、尋問能力の高さを見せる演出も良い。英語を解しないとされていた容疑者の反応を見て英語を話せることを見抜き、更に容疑の内容を尋ねないことから既に容疑を知っていることを見抜く。やるじゃん。頭脳も身体能力も高い万能キャラには安っぽさを感じるかもしれないが、そこはご愛嬌ということで。あくまでB級アクション映画である。A級アクション映画のスパイたちだって、アクションがショボければ同じように感じるに違いない。

万能のアリスよりも安っぽいのは黒幕である。彼の詰めの甘さは何なのか。余計なことをせずに時間の経過を待てばよかっただけなのに。身を乗り出したりせずに手を蹴ればよかっただけなのに。そもそもどうしてタイマーが必要なのか。眼鏡のフレームにウイルス入りの容器を隠して運搬するといったスパイ映画要素は素敵なのに、悪役という奴らはどうして肝心なところがダメなのか。B級映画の監督という奴らはどうしてクライマックスの魅せ方を工夫できないのか。

アンロック 陰謀のコード(字幕版)

アンロック 陰謀のコード(字幕版)

  • 発売日: 2018/08/29
  • メディア: Prime Video