オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『プラネタリウム』

Planetarium, 108min

監督:レベッカ・ズロトヴスキ 出演:ナタリー・ポートマン、リリー=ローズ・デップ

★★

概要

霊媒師が映画に出演する話。

短評

何に焦点を当てたかったのかさっぱり分からない映画である。降霊術のオカルト的な要素は薄く、姉妹の人間関係の変化やキャラクターに迫る描写も薄く、彼女たちを取り巻く人間模様も薄い。登場人物にはモデルがいるらしいが、伝記映画としては事実描写が弱い。意味深かつ意味不明な描写で何かを示唆するわけでもない。第二次大戦前のパリの雰囲気完全再現の幻想的なオシャレ映画といった趣向もない。登場する映画プロデューサーが「本名は〇〇スキ」ですよねと国籍を剥奪されるシーンがあるのだが、監督も「〇〇スキ」なので差別ネタの映画だったのか。何を見せたいのかも分からないし、何を見ているのかも分からなかった。

あらすじ

現実的な姉ローラ(ナタリー・ポートマン)と、不思議ちゃんの妹ケイト(リリー=ローズ・デップ)のバーロウ姉妹。姉妹による降霊会に感銘を受けた映画プロデューサーのコルベン(エマニュエル・サランジェ)は、彼女たちに映画出演を依頼する。

感想

映画プロデューサーのコルベンは「フランス映画は進歩でなく冬眠を選んだ」とのたまい、“進歩”の形として降霊術を、そして霊そのものを映像に残そうとするのだが、ローラだけを出演させて普通の映画を撮ったり、一方でケイトとの実験を撮影していたりと何がしたいのかよく分からない。

結局のところ、彼の試みは失敗であり、映画というものは本作のタイトル『プラネタリウム』と同様に、人々が望む偽物を見せる存在だということになるのだろう。プラネタリウム=映画=霊媒師=偽物なので、最後の右辺を本物として映画を製作しようとしたプロデューサーの失敗は必然である。ただ、映画の虚構性なんてありふれた話だし、本作は“観客の望む偽物”にはなっていない。他のシーンを全部削って、二人の入浴シーンとローラの海水浴&日光浴でも見せてくれればよかったのに。

ナタリー・ポートマンは実年齢よりも若く見えるのだが、リリー=ローズ・デップとは親子ほども年齢が離れているため(18才差)、姉妹役としては少しキツかった。劇中でスクリーン映えする美人扱いを受けているのはローラの方なので、この年齢差が二人の関係に歪を生じさせるような設定にもなっていなかったように思う。

ナタリー・ポートマンの笑い声が魔女みたいで怖かった。リリー=ローズ・デップの眉毛が一部ないのは何故なのだろう。

プラネタリウム(字幕版)

プラネタリウム(字幕版)

  • 発売日: 2018/06/06
  • メディア: Prime Video