オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『プロジェクトA2/史上最大の標的』

A計劃續集(Project A II), 106min

監督:ジャッキー・チェン 出演:ジャッキー・チェンマギー・チャン

★★★

概要

ジャッキー・チェンがマフィアと汚職警官と清朝を退治する話。

短評

前作よりもジャッキーが真面目になった印象である。中盤以降は巻き込まれ型だが、序盤は真剣に犯罪撲滅に取り組んでいる。隠れんぼのシーンや手錠で繋がれたまま逃走するシーンのようにコミカルな描写は多いものの、コメディ主体だった前作よりもドタバタ感が減ったストーリーになっていた。バランスはよくなっただろうか。同時にアクション・シーンも減っていたように思うのだが、そこはジャッキーらしく「この人、身軽過ぎませんか?」と目を丸くするような動きで楽しませてくれる。

あらすじ

自作自演の逮捕劇がバレて解任されたチン署長に代わり、サイワン署の新署長に着任したドラゴン(ジャッキー・チェン)。署員たちも汚職に染まっていたが、暗黒街のボス・タイガーを見事逮捕したことにより(署員たちは「安月給で命を捨てられない」と同行しない)、ドラゴンは彼らの信頼を得る。その後、ドラゴンは、革命派、清朝、チン署長、海賊の残党を巻き込んだドタバタの陰謀に巻き込まれる。

感想

前作のハイライトから映画が始まるので、そこには当然時計台の飛び降りシーンも含まれている。「これを超えるシーンはないだろうな」という予想を裏切ることはなく、あそこまで「これは死ぬ」と思わせるようなシーンはなかった。今回、飛び降りで身体を張っているのはジャッキーではなく女性キャラである(ジャッキーも飛ぶが、彼には余裕がある)。危険なシーンを演じたのはスタントマンかもしれないが、クッションが使える程度のシーンは女優本人が演じており、エンドロールではジャッキーがスタントの指導をする姿が見られる。女優さんも大変ですね。

エンドロールの中では唐辛子を食べるNGシーンが一番好きである。身体の張り方にも色々ある。

ジャッキーの動きはパルクールに通じるところがあると思う。なんでもないかのように屋根から屋根へと飛び移ったり、綱渡りならぬ竹渡りで移動したりと、その場にあるものを利用して街を縦横無尽に駆け回る姿は、『YAMAKASI』以降映画界でブームになったパルクールの原型を見ているようである。ジャッキーがあまりにも軽々とやってのけるのでサラっと見てしまうが、よく考えなくても凄すぎる動きである。

コメディの部分では、総監の家で絵に紛れ込んで隠れるジャッキーと、蛇口を修理して服を脱ぎ自分を手錠で椅子に繋ぐ司令官が好きだった。本作の家具は前作よりもずっと丈夫になっている。香港の木材に何が起きたのだろう。ネズミを捕まえて食べるような極貧生活を送り、「ドラゴンに死を」と血の誓いを交わした海賊の残党たちが、最後は「はい、これでお前死んだから」と済ませてしまうシーンはとても微笑ましい。それに対するジャッキーの「よく知らないけど友人です」も笑える。

ゴールデン・ハーベストのロゴが出てくる時の「ダン、ドン、ダン、ドン、タタタタ~♪」みたいなジングルは、これから香港映画が始まるという気がして本当にワクワクする。20世紀フォックスのものと双肩である。

プロジェクトA2/史上最大の標的 (字幕版)

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  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 
プロジェクトA2/史上最大の標的(吹替版)

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  • 発売日: 2018/11/07
  • メディア: Prime Video