オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ロンドン・フィールズ』

London Fields, 107min

監督:マシュー・カレン 出演:アンバー・ハードビリー・ボブ・ソーントン

★★

概要

未来の見える美女が阿呆男たちを翻弄して殺される話。

短評

アンバー・ハードがセクシーで美しいという一点を除いて映画的、物語的な魅力が皆無な一作。アンバーの他にも、ビリー・ボブ・ソーントンやテオ・ジェームズ、(脇役ながら)ジョニー・デップカーラ・デルヴィーニュまで揃えたのに、まるで面白くない。キャストだけで映画は面白くならないという典型である。監督のマシュー・カレンは本作の他に長編映画の経験がないようなのに、どうやってこの豪華キャストを集めたのだろうか(製作総指揮の人数も異常である)。

あらすじ

未来が見えると話す絶世の美女ニコラ・シックス(アンバー・ハード)。彼女は「あの日パブで会った男に私は殺される」と言う。候補者は三人。ダーツが得意なチンピラのキース(ジム・スタージェス)、真面目な資産家のガイ(テオ・ジェームズ)、そして作家のサムソン(ビリー・ボブ・ソーントン)。彼女は美しく、男たちを魅了する。

感想

全く面白くなかったとは言え、三十郎氏は本作の評判が極度に悪いことを知った上で鑑賞している。つまり、最初から映画の面白さ自体には期待していないのであって、アンバー・ハードさえ拝めればそれで十分なのである。そして、その目的は果たされたため、大変に退屈な思いをした割には満足している。ちょうどサメ映画で「サメがたくさん出てきた」とか「模型やCGの出来が良かった」時の感覚に近い。もっとも彼女のイメージビデオしかないという事実が本作の根本的な問題でもあるのだが。

アンバー・ハード演じるニコラは、すれ違う全ての男が振り向くレベルの美女である。そんな彼女が、胸元と脚のスリットがパッカーンと開いた白のドレスを着て尻を揺らしながら歩いたり、ノーブラでシャツのボタンをとめずに羽織った状態で来客を迎えたり(パンツは履いている)、プリケツを見せつけるようにガウンを脱いだり、スケスケの服を着て踊ったり、婦警プレイをしたり、清楚ぶって「処女なの」とあからさまな嘘をつく姿を拝めるというだけで、三十郎氏的には大変に眼福である。セクシーな格好以外にも彼女の顔のアップが多く、それもまた眼福なのである。彼女の「岩みたい」という台詞も聞ける。

それ以外は執筆不調を謳いながら淀みなく書き上げる作家サムソン(ビリー・ボブ・ソーントン)が意味ありげ風で特に意味のないモノローグをそれっぽく垂れ流しているだけで、特に見るべき点はない。ニコラを巡って争う二人の阿呆男については存在そのものが必要ないレベルである(ついでにジョニー・デップも)。サムソンが居候する部屋の上階にニコラが住んでいて、床の隙間から覗く下着姿のニコラのお尻が素敵である。そこから盗聴した音声をバング&オルフセンの高級スピーカーで聴くのはどんな気分だろう。

監督が製作者を訴えて、製作者が監督を訴え返して、ついでにアンバー・ハードが製作者に訴えられるという場外戦の顛末の方が面白そうだった。ジョニー・デップアンバー・ハードと離婚の一因となったという話もあるし、封切り週の興行収入が歴代最低2位(拡大公開作品限定)と壊滅的だったりと本編以外の話題が豊富な映画である。

エノラ・ゲイリトルボーイの名前は、イギリス人にはあまり知られていないのだろうか。

ロンドン・フィールズ (字幕版)

ロンドン・フィールズ (字幕版)

  • 発売日: 2019/05/29
  • メディア: Prime Video