オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『プロジェクトA』

A計劃(Project A), 105min

監督:ジャッキー・チェン 出演:ジャッキー・チェンサモ・ハン・キンポー

★★★

概要

ジャッキー・チェンが海賊退治する話。

短評

愉快なアクション映画である。アクションが単体で凄いのは間違いないのに、それをコミカルにやり切ってしまうというのがまた凄い。「どうだ!」と言わんばかりに“凄さ”を殊更に強調するのではなく、あくまで“楽しさ”に内包した状態で提供してしまう辺りにある種の余裕が感じられて、余計に凄いと思うのである。

あらすじ

イギリス統治下の香港は海賊に悩まされたいた。ドラゴン(ジャッキー・チェン)の所属する海上警察は失敗続きで陸上警察といがみ合っている。海上警察は船が爆破されて解散となり、陸上警察に吸収されてしまう。そんな中でイギリス籍の船が海賊に拿捕され、ドラゴンは陸上警察のジャガーや泥棒のフェイ(サモ・ハン・キンポー)たちと協力して人質の救出に挑む。

感想

改めて観てみると、ものすごいスピード感である。「スピーディー」という表現よりも「ドタバタしている」という表現が相応しい。常に忙しなく話も人も動き続けている。字幕版で観るのは今回が初めてではないかと思うのだが(もっとも広東語を喋るだけで吹き替えのようなものだが)、攻撃を繰り出す時の「ホイッ!」「ヤアッ!」みたいな掛け声が実にテンポよく響いている。殴られた敵の「アイヤー!」が聞けるのも楽しい。「アイヤー!」という感嘆詞は、どうしてこんなにも魅力的なのだろう。個人的には「マンマ・ミーア!」を超える。

本作の代名詞とも言える時計台から落下シーンは、一度目に流れる映像と二度目のものではジャッキーの身体の角度が異なることからも分かるように、明らかに何度か落下している。調べてみると、なんと三回も挑戦したそうである。これでは命がいくつあっても足りない。分かってはいるけど改めて凄いな、ジャッキー。ぶら下がりのシーンの元ネタとなったハロルド・ロイドの『要人無用』は、『ヒューゴの不思議な発明』のヒューゴとイザベルが映画館で観ていた映画か。

落下シーンのように大掛かりなアクションもありながら、セットや街、小道具を最大限に利用したアクションの連続が印象的である。ジャッキーは登場シーンから華麗な自転車の乗り捨てを披露する。あれがとても格好いいのだが、何回やって成功したのだろう。最初の戦いの舞台となる酒場では椅子やビンが豪快に壊れる。このチープ感がたまらない。簡単に壊してしまう以外にも、滑らせたり倒れ込んだりと実に様々な使用方法を思いつくものである。滑ってきた椅子を飛び越えて座るシーンはエンドロールでNGバージョンも流れるので、コミカルなアクションを華麗に決めている裏側では生傷が絶えないのだろう。頭の下がる思いである。

女性が坂を滑り降りた時にジャッキーがスカートを押さえてあげる仕草が紳士的で素敵である。

プロジェクトA  (字幕版)

プロジェクトA  (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 
プロジェクトA(吹替版)

プロジェクトA(吹替版)

  • 発売日: 2018/11/07
  • メディア: Prime Video