オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』

Mary, Queen of Scots, 124min

監督:ジョージー・ルーク 出演:シアーシャ・ローナンマーゴット・ロビー

★★★

概要

王位を巡って争う話。

短評

1580年代のスコットランド女王メアリー・ステュアートシアーシャ・ローナン)とイングランド女王エリザベス1世マーゴット・ロビー)の話である。激しく対立するライバル関係の話かと思いきや、実は二人が同じ境遇にある互いに唯一の理解者とも言える存在だったという構図が面白かった。

感想

女の戦いが見られるのかと思ったら彼女たちが直接対峙することはほぼなく、彼女たちは自分の意思に反する戦いに翻弄される。女王であるが故に男から蔑ろにされているという側面もあるが、男だろうと王族や貴族は同じような陰謀遊びを連綿と続けてきたのだろう。そんな中で二人の女は異なる生き方を選び対立するが、境遇の似た者どうしの間で、ある種の絆を感じさせるような話だった。だからこそジェームズ6世は王位に就けたのだろう。後継者を巡るドロドロした宮廷劇でありながら、彼女たちの関係自体はそれほどドロドロしていない。ドロドロさせたいのは周囲の人間である。

シアーシャ・ローナンマーゴット・ロビーが、中世の妙ちくりんなファッションに身を包んでいる。楕円を半分に切って頭に載せたかのようなメアリーの髪型は一体どうなっているんだろうと気になっていたら、髪を解く時に中から何かが出てきた。やはりあれは自立できる髪型ではないらしい。円盤モードで帽子を斜めに被っている時は、中身も半円ではなく帽子に対応した形になっているのだろうか。

メアリーの髪型は妙ちくりんだが、彼女の顔は現代的美人である。一方のエリザベスの顔は酷いことになっている。最初に登場した時から仏頂面の醜女感があったが、天然痘の罹患を経て肌がボロボロになり、最後はペニーワイズみたいな白塗りのお化けになっている。マーゴット・ロビーがここまで醜くなれるのか!ペニーワイズ以外も似ているキャラクターがあったなと思って考えていると、ティム・バートンの『アリス・イン・ワンダーランド』に出てくる赤の女王そっくりなことに思い至った。エリザベス1世肖像画を見ると本作そっくりなので、赤の女王も彼女に着想を得たデザインなのだろう。

黒人貴族やアジア人の侍女が重要な役で登場する。違和感が尋常ではない。彼らにはモデルとなるような人物がいたのだろうか。監督のジョージー・ルークは「演技力や才能を基にキャスティングした」と主張しているようだが(下記リンク参照)、外見が関係ないと言うのなら主演の二人を黒人男性にでもやらせてみろよ。無理だろう(日本は男女逆転の大奥をやったぞ)。マーゴット・ロビーが自らの美貌を台無しにして雰囲気を出しているのに、どうでもよいところで雰囲気を壊してどうする。彼らの存在が全く自然に感じられず、これみよがしに登場することからも、多様性への配慮という本来の意図を超えて「多様性に配慮すれば批評家が褒めてくれる」という下心が見え透いている。日本の時代劇で白人が織田信長を演じればホワイトウォッシュかコントだろうに。これは最早ポリコレですらない。

メアリーの入浴中におっぱいが透けているのだが、あれは本物なのだろうか。妊娠中という設定なので黒乳首である。嬉しいけれど、三十郎氏の幻想を壊さないでいただきたい。彼女がヘンリーの舌技に悶えているシーンは眼福かつ耳福だった。『女王陛下のお気に入り』でもそうだったが、女王様は舌でしてもらうのがお好きなのですね。

ふたりの女王 メアリーとエリザベス (字幕版)

ふたりの女王 メアリーとエリザベス (字幕版)

  • 発売日: 2019/09/04
  • メディア: Prime Video