オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『デッド・ハンティング』

Preservation, 88min

監督:クリストファー・デナム 出演:レン・シュミット、パブロ・シュレイバー

★★★

概要

閉鎖中の自然保護区に狩りに行ったら人間狩りの標的になる話。

短評

一応はスリラーのはずだけどスリルに欠ける映画である。パッケージ写真の女性が露出多めなので“レイプ&リベンジ”の系統なのかと思ったら、レイプはないし、リベンジ感も薄い。(おっぱいは見たいけれど)別に性的暴行を加える必要はないのだが、もう少し追い詰められる場面と追い詰める場面のギャップをつくらないと、あまりに平板な話に終始してしまう。

あらすじ

週末にハンティングに訪れたショーンとマイクの兄弟、そして弟マイクの妻ウィト(レン・シュミット)。「閉鎖中なんて気にしないぜ」と自然保護区に不法侵入して狩りを楽しむが、夜が明けると荷物が全て消えている。彼らの額には「×」印が付けられており、狩りに来たはずが狩られてしまう。

感想

男2女1の組み合わせである。この場合、男が死んで女が生き残る。女が妊婦と来れば確定事項である。最初に襲撃を受けた元軍人のショーンは、枝を石で削って即席の武器を作り、見事に敵の脚を背後から刺す。銃をゲットして「やるじゃん」と思ったら、うっかりナイフで刺される。証券屋のマイクは、仮設トイレに立て籠もって“黒ひげ危機一発”状態になったところを上から脱出して敵を倒すも、そこで満足して撃たれる。銃を奪えよ。この兄弟は詰めが甘い。

となると、ウィト無双が始まるかと言うとそうでもない。敵の襲撃を逃れて汚水の溜まった排水管へ逃げ込んだ時は「これはセプティック・ウーマンだ!」と喜んだものの、ピアスで頭の傷を縫うという離れ業以外は、兄弟と同じく詰めが甘い。兄弟が似た者どうしであれば、夫婦も似た者どうしなのである。

ところが、人間狩りを行う集団も詰めが甘い。寝ている間に気付かれずに荷物を全て奪い去るという偉業を成し遂げているのに、それ以外は阿呆でしかない。彼らは極度のコミュ障で、相手が横にいても口を開くことなくチャットで会話している(「Got to go」は「G2G」と略すと学んだ)。マイクを襲った時なんて銃を持ってるなら黒ひげで遊んでないで撃てよ。て言うか、上から逃げる時に気付くだろう。

彼ら全員に共通しているのは、相手が近くにいても絶対に気付かない尋常ならざる鈍感さと、とどめを刺さずに返り討ちに遭う絶望的な詰めの甘さである。これはブラック・コメディ的な阿呆構図だが、暴力描写が弱いので笑えるようなギャップがない。純粋なスリラーとしては皆弱すぎて緊迫感に欠ける。B級映画として平凡な要素と描写を積み重ねた結果、平凡にもなれなかった映画という印象である。

デッド・ハンティング(字幕版)