オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『レジェンド 狂気の美学』

Legend, 131min

監督:ブライアン・ヘルゲランド 出演:トム・ハーディタロン・エジャトン

★★★

概要

頭のイカれた弟のせいで大変なお兄ちゃんの話。

短評

1960年代のロンドンに君臨した実在のギャング、レジナルド&ロナルドのクレイ兄弟の話である。トム・ハーディ一人二役で双子の兄弟を演じている。本人の写真を見た限りでは上手く二人の雰囲気を出せていると思う。アメリカのマフィア(かの有名なランスキーの名も出てくる)とのやり取り、警察との攻防、政治家を巻き込んだセックス・スキャンダルと様々なエピソードが登場するが、兄弟の切っても切れない関係に焦点を当てた大人しい話になっている。そのためギャング映画としての迫力はいまひとつか。

あらすじ

1960年代のロンドン、イーストエンド(ロンドンは東に行くほど治安が悪いらしい)で頭角を現す双子のギャング、レジートム・ハーディ)とロン(トム・ハーディ)。兄のレジーは有能だが、弟のロンは医師を脅迫して精神病院から無理やり退院した凶暴なゲイである。

感想

統合失調症持ちのロンのせいで頭の切れるレジーが苦労しているような印象を受けるが、レジーもギャング稼業から本気で足を洗う気はなかったようにも思える。苦労したのは男選びに失敗したフランシス(エミリー・ブラウニング)である。「モノローグの語り手が私ってことは生きてると思ったでしょう?」には上手く騙された。

ロンはどうしようもないイカレポンチである。彼は何を考えているのかさっぱり分からないし、ただの一つもまともな行動をすることはない。第三者視点だと「さっさとこの阿呆と手を切れよ」といったところなのだが、だんだんとこの奇人ぶりが癖になってくる。どうしてナイジェリアの聞いたこともない土地に街を作ろうなんて思ったのか。どうしてナイジェリアなんだ。「ラズベリーにする」ってどういうことだよ。なんとなく分かるけども。兄のレジーがギャングとしては真っ当な人間過ぎる分、変人の弟に笑わせてもらった。「ニューヨークに来たら好みのタイプの女を用意する」を言われて、「俺は男がいい。ギリシャ系が好きだ」と60年代とは思えない率直過ぎる回答をするのもよい。

ジーが収監された時に看守からタコ殴りに遭っていた。スコセッシ映画のギャングたちが刑務所でも外と変わらぬ優雅な生活を送っていたのとは対象的である。彼らは有名なギャングらしいが、組織の規模はそれほど大きくなかったのだろうか。ギャングのボスに粗相をすれば、手下からのお礼参りが待っていそうなものなのに。

トム・ハーディのビシッと決まったスーツ姿が格好いい。身長は175cmで三十郎氏と変わらないのに、この差は一体何なのか。解せない。どこの国もランクの低いチンピラはジャージのような楽な服装をしている一方で、上へいくと高級なスーツを着ている印象である。単純に経済的な事情もあるのだろうが、裏社会の大物が表社会の大物と密接に関わっているのでドレスコードのある場に出入りするという理由も大きそう。

レジェンド 狂気の美学(字幕版)

レジェンド 狂気の美学(字幕版)

  • 発売日: 2016/12/02
  • メディア: Prime Video