オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『カンフー・ヨガ』

功夫瑜珈(Kung Fu Yoga), 107min

監督:スタンリー・トン 出演:ジャッキー・チェン、ディシャ・パタニ

★★

概要

ジャッキー・チェンがインディー・ジョーンズごっこする話。

短評

ジャッキーの年齢を感じさせない身のこなしには素直に感服するのだが、それ以外の部分は三文芝居が過ぎる。「もう命懸けのスタントはやらない」と宣言したのを知っているので大掛かりなアクションには期待していなかったが、持ち前のコミカルさも、どうにもわざとらしくていけない。これなら大人しく最近追加された『プロジェクトA』を観ればよかったと後悔したが、最後にジャッキーが嬉しそうにボリウッド・ダンスを踊っているのを見て「まぁいいか」となんだかどうでもよくなった。

あらすじ

西安の考古学者ジャック(ジャッキー・チェン)に、インドの考古学者アスミラ(ディシャ・パタニ)がマガタ国の財宝探索の協力を求める。彼ら二人に、ジャックの助手小光とヌゥオミン(ムチミヤ)、甥のジョーンズ、そしてアスミラのTA(妹)のカイラ(アミラ・ダスツール)を加えたメンバーで、世界を股にかける冒険が始まる。

感想

タイトルは『カンフー・“ヨガ”』だが、言うほどヨガ要素はない。アスミラとヌゥオミンが朝のヨガをするシーンがあるのと、ヨガの呼吸法を使って泳いで洞窟を脱出するくらいである。呼吸法についてはどの程度ヨガが役立っているのか分からないし、息が保つのかよりも低体温症の方が心配だった。ヨガファイヤー的なことをするインド人が出てくるが、あれはヨガではなく大道芸である。

冒頭でマガタ国の戦いがCGで描かれている。「お金掛かってるんだろうなぁ」とは思うものの、クオリティ的にゲームのムービーパートを見せられている気分だし、なにより「ジャッキーまだかよ」と焦れる。本作には多くの動物が登場するが、そのいずれもCGの質はもう一つである。ただ、黄金のセットが明らかに絵の具なのに比べればマシで、あれは子供騙し感が酷い。

本編はインド美女二人がとても美しいという点以外は不満だらけでも、エンドロール前のボリウッド・ダンスだけは楽しい。いっそのことダンスを前面に出しても面白かったかもしれない。とっても雑に物語を畳んだかと思ったら、ジャッキーが可愛らしい笑顔で踊りだす。そこはインドなはずなのに、バックダンサーたちが中国系というのは笑いどころか。セットが中国国内だったのだろう。ロケ撮影ではちゃんとインド人が踊っているが、その中には白人も混ざっていて人種的カオスになっているので、細かいことを気にしてはいけない。ボリウッドである。注目は、最後にジャッキーの右後ろで踊る青Tシャツのスタッフを中心に明らかに踊れていない人がいるところ。

ジャッキーが訪れるインドの城はジャイプールアンベール城だと思ったのだが、ジョドプールのメヘラーンガル砦と書いてあるサイトもある。どちらもアスミラの出身地ラジャスタン州である。三十郎氏的には、自分の記憶とIMDbの情報を信じて前者ということにしておきたい。海外の映画で「おっ、ここ行ったことあるぞ!」は大きな興奮ポイントである。三十郎氏の撮ったアンベール城の写真である。ものすごくRPG感がある。確実にボスキャラが待っていると思ったがいなかった。

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ジャッキーが兵馬俑の研究をしている考古学者という設定で、一帯一路に言及がある辺りに、香港ではなく本土の人になったのだと少々寂しさを感じる。きっと映画製作への支援や予算が段違いなのだろう。映画製作の自由と金の天秤のようにも思えるが、金こそが映画製作の自由を意味するのである。

カンフー・ヨガ(字幕版)

カンフー・ヨガ(字幕版)

  • 発売日: 2018/05/19
  • メディア: Prime Video