オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『バーニング・オーシャン』

Deepwater Horizon, 107min

監督:ピーター・バーグ 出演:マーク・ウォルバーグ、カート・ラッセル

★★★

概要

海上の石油採掘施設が爆発炎上する話。

短評

2010年に発生したメキシコ湾原油流出事故の映画化である。事故発生後のパニック映画と、そこに至るまでの過程が半々といった構成になっており、事故が起こるべくして起こったことがよく分かる。事故は人災なのである。決して“予測不可能”ではない。

あらすじ

舞台はメキシコ湾沖合80km、BP社の石油採掘施設「ディープウォーター・ホライズン」である。数々の設備不良が確認されている中で、工期の遅れを取り戻すべく強行した圧力テストの異常値も無視して再開した作業が引き金となり、全米史上最悪の石油流出事故が起こる。

感想

序盤の専門用語は何を言っているのかさっぱりなのだが、海中の映像を適宜挿入することによってジワジワと事故の瞬間が迫っていることが察せられ、イヤ~な不安に襲われる。BP社幹部のハゲ(ジョン・マルコヴィッチ)の態度はいかにもな経営者といった感じで、事故の数だけ原因があれど、根本に共通するのは利益重視と安全軽視であることが分かる。この事故は防げるものだったのだ。

汚水の噴出が始まってから爆発、倒壊の流れは雪崩を打ったような勢いで、観ているだけのこちらまで生きた心地がしない。マイケル・ベイでもここまでやらないのレベルで爆発するのだが、どの程度実写で撮影したのだろうか。作業員を吹き飛ばす汚水の勢いも凄まじく、こちらも撮影の裏側が気になる。息をつく間もなく爆発するし、夜なので画面も暗いしで、ほとんど何が起きているのか分からず、ついていくのに必死である。映画を観ているだけの三十郎氏がそうなのだから、現場に居た人たちはどれほど大変な思いをしたことだろう。

大規模火災を描いた映画で思い出すのは同じく実話の『オンリー・ザ・ブレイブ』で、実話でありながら事の顛末を知らなかったために結末の惨さに衝撃を受けた。本作も同じく実話であるが故に救いのない結末を迎えるのだが、防げた事故であっただけに「殺された感」が強くて、やりきれない気持ちになる。ただ、絶望的な悲劇性については、生き残りの人数的に『オンリー・ザ・ブレイブ』の方が印象的か。あちらの「生き残ったことが辛い感」には呆然とした。

バーニング・オーシャン(字幕版)

バーニング・オーシャン(字幕版)

  • 発売日: 2017/08/16
  • メディア: Prime Video