オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ブルー・マインド』

Blue My Mind, 101min

監督:リサ・ブリュールマン 出演:ルナ・ウェドラー、ゾーイ・パスティル・ホルトアイゼン

★★★

概要

思春期の少女の身体の変化。

短評

スイス映画。『RAW 少女のめざめ』と似た映画であるように感じた。両作ともに女性監督による作品である。少女の身体に起きる異常な変化をメタファーとして用いることで、思春期一般の成長や変化を描いた青春映画である。本作で特に焦点が当てられていたのは不安や恐怖だろうか。女性にとっての二次性徴というのは、そんなにも大きな出来事なのだろうか。この感覚は男の三十郎氏には理解しようがない。せいぜい毛が生えかけているのを見つけて「おおっ!」と驚いたくらいのものである。

あらすじ

親の転勤に伴って転向したミア(ルナ・ウェドラー)が主人公。彼女は新しい学校で、ジアンナ(ゾーイ・パスティル・ホルトアイゼン)たちのイケてるグループに入ることに成功する。女王様ジアンナの趣味である窒息&失神ゲームを経験した日、ミアは自分を抑えることができず、母親の飼育している熱帯魚を食べてしまう。

感想

ミアの身体の変化を除けば、普通の思春期が描かれている。親に反抗しながら、友人たちとちょっとした悪さをする。酒や煙草はともかくMDMAは日本の感覚だと相当な悪さな気もするし、彼女たちはかなりやんちゃなのだが、それ自体は通過儀礼的と言えるだろう。印象的なのは、対立相手である親の存在感が薄かったことだろうか。ミアは自分が養子ではないかと疑っており、ジアンナの母親はアメリカへ逃げたままである。それが彼女の変化を歪なものにしたとも思えるが、どんな経路を辿ろうと最終的に独り立ちし、異なる世界へと旅立つことには変わりないのだろう。

ミアの変化は五段階。生魚への欲求が高まり、足の指がくっつき、下半身に痣ができて脱皮し、腹部にエラができて、最終的には……である。『ゆれる人魚』も人魚を通して思春期の少女を描いた作品だが、欧米における人魚というのは、どのような存在なのだろうか。思春期というのは自己と周囲に対する認識に齟齬の生じる時期なので、「自分が人とは違っている」という感覚を端的に表現できる半魚人的モチーフが便利なのだろうか。少なくとも貝殻水着のセクシーお姉さんというわけではないことだけは確かである。

ブルー・マインド(字幕版)

ブルー・マインド(字幕版)

  • 発売日: 2018/12/04
  • メディア: Prime Video